短編2
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真夜中のドライブ

長文です。僕が中学一年生の時に体験した話です。僕は家族と一緒に深夜にドライブをしていました。休日だったので時間が空き、ドライブしようと父がいい、始まりました。ドライブの道のりはトンネルをグルグルと回って登る山道でした。

一つ目、二つ目とトンネルを抜けて行きました。すると急に姉が「この近くの廃墟の心霊スポットに行きたい!」と言いました。うちの家系は代々霊感が強く、姉も霊感は強いです。

母は「ダメ、危ないでしょう?」と言って姉をなだめましたが、父は霊感が無いために「行かせてやろう」と言って、結局心霊スポットに行くことになりました。それに便乗し兄も行こうぜ、と言い出しました。僕は一代の中でもかなりあった方なので正直嫌でした。そしてスポットに着いてから、兄と姉がはしゃぎだしてズンズンと入って行きました。

僕は何か悪寒がしたので母に「ここ危ないから早く帰ろうよ」と言うと母は廃墟をじっと見つめていました。その直後に「S!R!(兄と姉の名前)早く車に戻りなさい!K、あなたも早く!来るから!!」と叫びました。僕と兄姉は一目散に車に戻りました。そして父は母に急かされて車を出し、母はずっと念仏のようなものをブツブツと唱えていました。ずっと走っていると急に父が「うわぁぁ!?」と叫びました。

どうやらバックミラーを見たようで、僕たちも後ろを見てしまいました。父に見るな、と言われましたが見ると人も街灯も何もない真っ暗な道路の300mほど先に青白い女の人がはっきりと見えました。その女の人はゆらりゆらりとこちらに近づいていました。そして助手席に座っていた母が後ろを見て「もう追いついてきた」とつぶやいた途端に失神してしまいました。

父は半泣きで車を飛ばし、僕たちは手を合わせ祈っていました。そして急にバチーンという音とともに車体がグラッと揺れました。何度もなんどもそれが続き、最後のトンネルを抜けました。すると揺れも音も収まりました。そのまま走っていると母も意識が戻り、自動販売機の光が見えました。

安心して喉が急に乾いたので飲み物を買ってきたいと父に言うと車を止めてくれました。そして光に照らされて気付きました。車の窓ガラスに手形が目一杯つけられていました。父はふきんを手にしてフロントガラスを拭き始めました。「全然取れないじゃん...」僕がそう言うと父は「本当だ...取れない...ん?いや、これよく見たら全部内側についてる!」

そして僕が隣を見ると兄と姉の隣に白い女がニタァ〜と笑っていました。その後、母が車内に塩をまき、念仏を唱えると消えていきました。皆さんも夜のドライブはお気をつけください。

sound:39

Concrete
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