中編3
  • 表示切替
  • 使い方

事故物件

wallpaper:57

就職に伴い、東京に上京することになった。今まで田舎に住んでいて、大学も地方。東京の家賃の高さに驚かされた。

大学時代も遊び呆けてばかりで貯金もあまりなかったため、安い物件をひたすら探していた。

そこで一つの物件に目がついた。8階建マンションの6階一室1kロフト付きで1万円という格安物件だった。ここにしようと思い、電話すると大丈夫と言うことですぐにきめてしまった。

しかし、この部屋にはおかしいことがあった。マンションの他の部屋は普通の値段設定なのにこの部屋だけが安かった。事故物件なのだろうと思ったが、幽霊なんて信じていなかったので、大丈夫だと自分に言い聞かせていた。これが間違いだった。

住み始めて、1ヶ月、部屋でおかしなことは多々起こっていた。勝手にドアが閉まったり、物が落ちたり、小窓に人の頭のような影が映ったりなど。ただ、あまり気にならず、この程度なら全然住めるわぁwwwなどと思っていた。

ある日、仕事が終わり、いつも通り帰宅しマンションに着いた。マンションに入りエントランスで自分の郵便受けの中を確認し、エレベーターに乗った。

6階を押し、携帯で時間を確認し顔を上げると、入り口に人が立っているのが見えた。エレベーターに乗るのかな、と少し待っていたが動く様子がないので閉まるボタンを押した。

携帯が鳴ったので、見るとLINEが来ていた。後から返そうと思い、顔を上げると、エレベーターが上がる瞬間、目を疑った。

先ほど、入り口にいたはずの人がエレベーターの目の前に移動しており、エレベーターの窓に張り付くようにしてこちらを見ていたのだ。まず、その行動自体が異常なのだが、それ以上にこの短時間で入り口からエレベーターの前まで移動することがそもそも不可能な距離なのである。

私はとても驚き、何だよあれはと思っていた。それもつかの間、二階を通る時にも、またそいつは目の前にいたのである。この時点で私はパニックになっていた。

そんな私をよそにエレベーターはどんどん上昇していく。3階にはそいつの姿はなく安心したが、4階に、またそいつはいたのだ。そこで私は、まさか偶数階にだけいるのではと思い、冷や汗がたった。

案の定、5階にはおらず、次は6階だった。6階に着くと扉が開く、どうすればいいんだ…と考えていると、ピンポーンと音がした。6階に着いたようだ。

顔を上げると、そいつの姿はなかった。安心して自分の部屋に向かっていると、エレベーター横の非常階段から、『ドドドドドドッ』と駆け上がってくる音が聞こえた。やばい、あいつが来ると思い、急いで自分の部屋に駆け込み、鍵をかけた。

これで一安心だなと思っていると、インターフォンが鳴った。『ピンポーンピンポーン…』とインターフォンの音が部屋に鳴り響いている。あいつが部屋の前にいると思うと、応答できるはずがなかった。

1分ほど経つとインターフォンはならなくなった。先ほどまでに起こったことを振り返り、震えていたが、1時間ほど経つと落ち着いて来て、シャワーを浴びた。

その後、友達のLINEを見ると夕食の誘いだった。時間が経っていたので、まだ食べてない?と返信すると、まだだよ、と返信が来たので一緒に食べることになった。しかし、先ほどのこともあったので、私の部屋に迎えに来てくれと伝えると快く了解してくれた。

20分ほど経つとLINEがなった。LINEを見ると友達からオートロックを解除してほしいと来ていた。ロックを解除し、友達を待っていた。

すると、インターフォンがなった。私は先ほどの恐怖と孤独から解放されるという思いで、何の躊躇もなくドアを開けた。

しかし、そこにいたのは友達ではなくエレベーターに張り付いていたそいつだった。そいつはこっちを見てニヤニヤしていた。私は気を失い、その後友達に起こされた。

後日、私は別の部屋に引っ越した。その部屋は今でもあるようなのでお気をつけください。

Normal
閲覧数コメント怖い
4,0532
15
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ

菊さん
本当にいきなりではなくジワジワ追い詰めて来るのは怖いですよね。やらしい幽霊ですよ笑

返信

エレベーターのくだりめっちゃ怖い
こういうじわじわ迫ってくる系苦手

あと、6階に付いた時はいなくて足音すげーしたってのが怖さ倍増だわ

返信