短編2
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時計

寝苦しさが感じられるようになった初夏の話。

新生活もスタートして1、2ヶ月がたったある日。

いつも通りアパートに帰宅した。

住宅街から離れた場所に建つせいもあり、夜9時を過ぎてしまえばほとんど物音はしない。

シン…と静まり返った部屋で微かに耳に入る音があった。

チク、タク、チク、タク…

なんだ、時計か。

普段はあまり気にしないものだった為か、何だか新鮮な気持ちになりその音に聞き入った。

聞きながらこの頃の生活について思いをめぐらせ、ふと思う。

そう言えば、引っ越しの時に実家から時計を持ってきた覚えが無い。

携帯電話があるから、と古い時計は実家に置いたままだ。

しかし新しい時計を買った覚えも無い。

ならばこの音源は一体どこなのか。

チク、タク、チク、タク…

隣の部屋から聞こえるにしては大きく鮮明だ。そのままじっと耳を澄ます。

チク、タク、チク…

ベッドだ!

誰かいるのかもしれない…

極度のビビりだった俺は直視するのが怖くなり鏡を持ってきて髪をセットするフリをしつつ、ベッドを見た。

すると、何かがベッドの下にある。部屋の光を反射して何か………

2つの眼がこちらを見つめている!

その後アパートを飛び出して震える手で警察に連絡をし、部屋を捜索してもらった。

すると既にベッドの下には誰も居らず、ただ銀色の懐中時計が落とされていた。

無論、俺の物ではない。

怖い話投稿:ホラーテラー AAさん  

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