短編2
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目覚めたら

目を覚ますと体が動かない…

金縛りにあったみたいだ…

恐怖心はあったが、最近多いから慣れてきたのかそれほど気にかけなかった。

暫く散らかった部屋を眺めていたら突然ドアが開き、上司が入ってきた。

よく飲みに来る先輩で何ら不思議な事もないのだけれどおかしい…

俺に気付いてないみたいだ。

ふつうに座りたばこを吹かしている。

依然として金縛り状態の俺。

先輩に視線を送り、SOSを出す。

が、先輩はたばこを吸い終わり、結局俺に気付かず出ていってしまった。

この違和感に恐怖した。

そんなはずは…

ズウゥゥゥー…

金縛りがかなり強くなった。

息苦しい…耳鳴りもかなり煩い。

そのまま意識が遠退いていった。

目を覚ますと安堵感があった。

さっきのは夢だったんだと納得した。

でも体が動かない…

また金縛りか…

そして辺りを見渡して唖然とした。

俺の部屋ではなかった。

いや、正確に言えばほとんどが俺の部屋だが、見慣れない大きな箱があった。

ズウゥゥゥ…

その箱を見た途端にまた苦しくなってきた。

似たような夢を見てるようだ。

少し目を離した間に扉が開いていた。

夢から覚めるために何度も叫んで、体を動かそうと必死にもがいた。

重くなる体…

何かが乗っかってる様な感覚。

まるでベットに沈む様に、また意識が遠退く…

扉は完全に開いていた。

目を覚ますと夜だった。

全て夢だったんだ。

確か、仕事から帰ってすぐ寝たんだった。

随分、長いこと寝た感覚。

体が重い…

いや動かない。

俺は焦った。まだ夢の中なのか??それともただの金縛りか??

どちらにせよあの重苦しさが襲って来る…

無理矢理体を動かそうとするが動かない。

ドタドタドタドタ

部屋の前の廊下を子供が走る様な音がする。

これが人でないというのはすぐにわかった。

来るな…

目を瞑って必死に念じた。

足音は俺の布団の周りをドタドタと走り回る。

何をしてくるわけでもない。

ただ凄まじい音をたてながら走り回るだけだ。

それがとてつもなく怖い。

しかしついに意を決して目を開き、怒鳴った。

来るなぁっ‼

その正体は子供だった。

暗闇なのに真っ黒な影だけの様な姿がくっきりと見えた。

子供は立ち止まりこちらを見ている。

目などは見えないが何となく無表情に感じた。

それと同時にまた意識が遠退く…

目を覚ますと昼だった。

体は…動く。

全部夢だったというわけだ。

しかし、頭はボーッとしている。

最早、いつ寝て今が何時なのか…

確認するのもめんどうだと思っていた時。

耳元で低い声がした。

「また目を覚ましたかい??」

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