中編5
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3人目の客

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私が、まだピチピチの頃、

諸々の事情で、

キャバクラで働いていた、のです、よ。

(やはり、キャバクラでは年齢が高い方でしたけどね。)

あの、、、あの、あひるがっ!?

そう思われても、

当然で、す、、うぅ、、、

む、昔は、昔は、、可愛かったんですぅー

たぶん、、きっと、、、

うん、きっと、、、。

そして、

この話は、実話なのですが、

(一部、私が、

かなりの人気者だったとの脚色あり)

そして、

あひるが、キャバクラ、、、

『イメージが繋がらない無い = ウソ臭い』

そう言った方程式が、

成り立ってしまう、、けれども、

実際のお話です。

そこんとこ、シクヨロ (また、古い) です。

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この仕事は、

クリスマスや誕生日、年末など、

そう言った時は、特に忙しい。

『にっぱち』

と言われるが、2月、8月はちょっとヒマ。

でも、2月は、

バレンタインデーがあるから。

ゴディ〇の、チョコレート1つで、

( あと、ネクタイなんかもついでに )

それだけで、欲しいブランドが手に入る。

結局は、そんな世の中。

買ってあげる方も、優越感を感じる。

( 中にはギリギリの人もいるけど )

それを遊びと思えるか、

真剣に恋をしてしまうのかは、

客次第で、

ストーカーまがいは、毎日の様に通い続ける。

私達キャストが、

その娘に彼氏がいると知ってても。

痛客も、大勢いるし。

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そんな年末のある日、

その日も、忙しかった。

ふと、

顔馴染みの客が来ている事に、気付いた。

3人で来ていたようだったが、

私は私で、

自分のお客で、手一杯だった。

その馴染みの客には、

本指名の、葵ちゃんと言う娘がいたが、

葵ちゃんも、私を慕ってくれてて、

その客も、

私を可愛がってくれてたのもあり、

場指を入れてもらったようだ。

少しの間だか、

その席に着く事になった。

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席に向かう途中に、

その中の1人の男性が、席を立った。

(うん?

トイレかな、、?

じゃあ、おしぼりを頼まないと、、、)

そう思いながら席に着き、

場指のお礼を言いつつ、

「もう1人の方は、おトイレ?」

と聞いた。

残りの2人の客は、キョトンとしている。

「えっ?お1人、席を立ったでしょ?」

「いや、、、

オレら、2人で来たけど、、、。

ちょっとー、Kちゃん、

(私の事です。

私は、源氏名を使ってませんでした。)

怖い事、言わないでよー!」

「いやいや、

怖い事なんて言ってないよ。

あ、でも、私の見間違えかも。ゴメンね。」

すると、

その客が聞いてきた。

「ねぇ、その人ってさ、どんな人だった?」

「あー、えっと、、、

背は高くて、細くて、黒い服着てた。

顔は、、うーん、、

色白で、顎にかけてシュッとした感じ?

切れ長の目だった気がする。

髪は黒いけど、ボサボサな、、、」

一瞬、客の顔色が変わった。

「えっ?なに?

どうしたの? 私、変な事、言った??」

暫くして、

その客が話し出した。

「いやぁさ、オレら2人は、

高校ん時の同級生なんだけどね。

その頃からの付き合いで。

でも、本当はさ、

オレらは3人でつるんでたんだよね。

でも、ある日さ、その内の1人が、、、

まぁ、、、死んでさ。

事故でね。

それが、、

Kちゃんが言った容姿にそっくりなんだよ。

一緒に飲みたくて、帰って来たんかな?

、、、、、、。

Kちゃん、悪いけどさ、

もう1つグラス持って来てくれる?

そいつとも、一緒に飲みたいんだ。」

私はすぐにボーイに、グラスを1つ頼んだ。

その後は、昔話で盛り上がり、

お客が、私と同じ世代と言う事もあって、

楽しい時間だった。

私は、

その後、席を離れたが、

お見送りの時に、連れの客が、

「今度はさ、

オレが、Kちゃんを指名するから、

こいつが入れ込んでる女の子、、、

葵ちゃんだっけ? と、4人で盛り上がろうよ!」

と、言ってくれた。

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それから数日後、

2人は、また来てくれたのだが、

その日は大晦日で、うちの店は予約OKだった。

「Kさん、3番テーブル、指名です。

3名様。」

私は、3番テーブルに向かう。

あれ?

2人しかいない。

とりあえず挨拶を済ませ、聞いた。

「あのさ、ボーイから、

3名様って言われたんだけど、、ね?」

「あー、Kさん、

私も、そう言われましたよー」

葵ちゃんも、そう言った。

「いや、いや、

オレら今日は、予約取ってきたし、

2人で行くって、電話で言ったよ?

でもさ、

オレらが店に入った時に、

『〇〇様、お待ちしておりました。

3名様ですね。こちらへどうぞ、、、』

って言われてさ、

2人で不思議がってたんだよね。」

「ねぇ、何か気になるよね。

〇〇さんの電話受けた人に、聞いても良い?」

「うん、オレらも気になるし、、、」

私は、すぐにボーイを呼び、事の流れを説明した。

すると暫くして、

「Kさん、

確かに『3人で行くから、』と聞いたそうです。」

私は言って良いのか悪いのか分からず、

困っていたが、思い切って話した。

「この前の事もあるし、、

しかもさ、

『ふたり』と『さんにん』って、

普通、聞き間違え無いよね、、。

いや、しかし、、、

電話に出たヤツは、耳が悪いのかも知れませんぞ。

補聴器を買ってあげよう!

何故なら私は、お金持ちだからです。

ウソです。

しかも、更に、痴呆とか?若年性?

聖母マリアのような私でも、

さすがに、介護はねぇ、

介護は大変らしいし、、ね、、

つーか、その電話番の事、知らんしっ!

や、ヤバすぎる、、、

うちの店も潰れるな、、。」

「アハハハ!!

やっぱ、Kちゃん、面白ぇな!!」

「Kさ〜ん、面白過ぎですよ〜!」

「葵ちゃんまで、笑わないのっ!!

私は、顔で勝負出来ないので、

話術を学んでおりますデス、はい。」

「またまたー!

でもさ、さすがに立て続けに起こると、

気味悪ぃよなぁ。

しかーし、今日は大晦日だっ!!

とことん飲むぞーっ!!なっ?」

客の、優しいその言葉で、

場の雰囲気は和み、

楽しい一時となった。

それからも、そのお客は来てくれたが、

2人が3人に増える事は無かった。

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若かりし頃の、思い出話です。

この話を読んで下さった方、

お付き合い頂きまして、ありがとうございました。

しかし、

あれから十数年、、、

歳をとった自分を、鏡で見ると、

ハァー、、、と、

ため息しか出ない今日この頃、、です。

話を戻しますが、

3人目の客が、

2人の昔の友達だとしたら、

何故、あの2回だけ、飲みに現れたのでしょう?

『飲みたい時もある!』分かるような気もします。

私も、お酒好きですし。

(最近は、糖質70%OFFの発泡酒が、恋人です。)

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追記

この話は、

かなりコメディタッチで書いてしまいました。

あまり怖くないと思います。

(じゃあ、

怖話に載せんなよ、と言われそうですが。)

しかし、

あの時、あの店で、あの空間で、

その出来事を真実にしてしまい、

怖がり、

そのせいで、場の空気を白けさせてはいけない、

そんな世界の中での、出来事です。

なので、忠実に書きました。

今となると、正直、怖かったですよ。

いくら夜の店は、

そう言った類の者が集まりやすいとは言え。

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