短編2
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足のない老婆

一時期地元の大阪から京都までバイクに乗って仕事に通っていた時の事。

夜遅く帰り道をバイクで走らせていると道路沿いをおばあちゃんが立っている。

僕は高校の頃、福祉科を専攻していてヘルパーの資格を持っている事もありお年寄りは好きな方だ。バイクを止めて話しを聞いてみる事にした。

「おばあちゃんどないしたん?」

「親戚の家にながいしすぎてな。この時間帯じゃタクシーも拾われへん」

「やったら俺のバイクの後ろに乗っていく?しっかり掴まってたらおばあちゃんでものれるで。タクシー拾える所まで連れてったるわ」

おばあちゃんを後ろの席に座らせて僕の体にしっかり掴まった事を確認すると僕はバイクを飛ばした。

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走りだして15分程たった頃、近くにパーキングエリアがある辺りにやってきた。

「おばあちゃんこの近くにタクシーを拾える場所があるで」そうおばあちゃんに話しかけた時ある違和感に気づく「ない、おばあちゃんの足がない」

とたんに頭がパニックになる。それはそうだ。

なんせ今僕は足がない老婆に体を掴まれているのだから。

「とにかく人混みがある所へ」

恐怖と焦りで頭がいっぱいになる中、僕はパーキングエリアを目指した。

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パーキングエリアに着いたが老婆はまだ僕にしがみついたままだ。

怯える僕をよそに老婆は「どないしたん?えらい顔色悪いで」「だってばあちゃん足が…」

僕がそう答えると老婆はしばらく考えた後、

「あー」と一言言ったかと思ったら、「あんたバイクを降りてもう一回良く見てみ。」

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おばあちゃん足が無いんじゃなく正座で座ってただけでした。大変失礼しました笑

Concrete
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