短編2
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守り神~その一~

当時、私は少年野球チームに所属していました。

そのチームは地元では結構強豪として有名で、休日や祝日もほとんど練習、試合がありました。

これから話すのは、十一年前の十月十日に起こった実話です。

十月にも関わらずジットリと汗ばむ位に蒸し暑く、それに加えて、朝から何か嫌な感じがしていました。

そう、姉を事故で亡くしたときのように…。

夕刻、その日の練習が終わった私は親友のKと談笑しながら家路につきました。

Kと別れてから、いつもと同じように横断歩道の信号待ちをしていると…

「空!危ない!!」

先ほど別れたKが必死の形相で駆けてきます。

そのとき、私は背後から何者かに突き飛ばされました。

よろめきながらもなんとか背後を見やると、そこには頭から大量の血を流す少女がいました。

その顔を見て私は愕然としました。

なんと、他界した筈の姉だったのです。

そして私は車に轢かれました。

不幸中の幸いだったのか、偶然にもその日は替えの靴を忘れたためにスパイクで帰っていました。

そのお陰で足を滑らせ、タイヤに轢きずられただけで済みました。

「もし足を滑らせていなかったら…」と言いよどむ警官を見て、私は背筋が冷たくなりました。

Kが病院にお見舞いに来た時に、私はKに俺を言いました。

「Kのお陰で助かった。ありがとう。」

いつになく真面目な顔をしたKはあの日の真実を語ってくれました。

Kの口からその事を聞かせれた私は、頬を伝う涙を止める事が出来ませんでした。

怖い話投稿:ホラーテラー 空さん  

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