短編2
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私が体験した怖いというか不思議な話。

小学生の時、宿題を忘れた私は放課後に罰プリントをやらされていた。

先生は終わったら教卓の上に出して帰っていいよ、と教室を出て行ってしまった。

私は友達とふざけていたうえ解けない問題があってとうとう宿題を忘れた子のうちの最後

の一人になってしまった。

夕日が真っ赤になるころ、私に付き合ってくれていた友達もあまり遅くなると家の人に怒

られるから先に帰ると言い出した。

私がごめんね、さようならといって送り出すと教室には私一人になった。

その瞬間、本当にいきなり全身が震えだした。最初はあれ?わたしこんなに怖がりだった

っけ?と間の抜けたことを考えたが、鉛筆を持つ手は字も書けないほどに震え、プリント

を押さえていた左手が勝手にグシャッとプリントを握りしめるとその自分の行動のほうが

怖くなって、解き終っていないプリントをランドセルに突っ込むとついさっき出て行った

友達を追いかけて教室を飛び出した。明日また先生に怒られると思ったがそれどころじゃ

なかった。

しかし、ほんの数分前に出て行った友達に追いつけない。私は廊下を全力で走って玄関ま

でいき、震える手で苦労して外履きに履き替え外に飛び出した。

暗い、最初に思ったのはそれだった。あたりを見渡すと学校の明かりは消えていて街灯が

ついていた。

おかしい、私は確かについさっきまで西日の入る教室でプリントを解いていたはずだ。廊

下だって真っ暗ではなかった。

でも今は確かに夜だった。太陽は沈んでいて星が見えた。

学校から出た瞬間に時間をスキップした?

私はパニックになりながら通学路を走った。あの時ほど全力で走ったことはないと思う。

夜でも人通りの多い道に出て、自分以外の歩行者が何人かいるのを発見してやっと落ち着

いた。でも、ほかに下校中の小学生も、先に出て行った友達も見つけることは出来なかっ

た。

家に帰って家族に話しても信じてもらえなかった。先に帰った友達に話したら怖がられた。

先生には話しても無駄だと思って言わなかったので、普通に怒られた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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