短編2
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ひまわり畑の向こうから

向日葵。

黄色くて可愛い花、夏になるとあちこちで咲いているのを見ます。

特に向日葵はとてもよく伸びるから向日葵畑なんかにいくと、人が埋もれそうと思ったことがあります。

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黄色い波がゆらゆらと揺れているように見える。

菜の花じゃなくて向日葵、私はそんなふうに見える特に高いところから見渡した時は特に。

これは、友人の話。

仮に彼女をCとしよう、Cには田舎で暮らす祖父母がいる祖父母の畑の近くには立派な向日葵畑がある。

幼い頃のCはその向日葵が異様に怖かった、何故かって?

それは自分の何倍の背もある大きな向日葵が怖いというのもあったが、背の高い向日葵に阻まれた向こう側が怖くて仕方ない。

ある日のこと。

Cの友達だったBが姿を消した。

大人達は必死になって探したがBは見つからなかった。

目撃者もなく、結局Bは行方不明ということになった。

そして月日は流れ、Cが7歳になった頃。

何となく、向日葵畑に向かった。

相変わらず大きな向日葵だ、と思いながらCは上を見上げた、すると音もなく白い手が伸びた。

真っ白い細い手。

手はCに手を取れと言わんばかりに伸びる、Cは誘われるように一歩、又一歩と手に近づく。

「危ない!Cちゃん、何しとんの!」

近所のお姉さんの声でふとCは我にかえったそうだ。

向日葵畑を見ればあの手は既に消えていた。

Cは後から知ったそうだが、あの向日葵畑は昔犯罪者達の死体を埋めた場所でその慰めにと当時の人々が向日葵を植えたそうだ。

以来、手入れをせずとも勝手に咲いているのだという。

向日葵畑の向こう側は崖だそうだ。

もし、お姉さんが止めなかったらCは死んでいたかもしれない。

もしかしたら、Bはあの手をとって連れて行かれたのかもしれない。

まだ、Bは見つかっていないという。

向日葵畑は今でもあそこに鎮座し誰かを手招いているのかもしれない花で隠された向こう側に潜む、大きな口をぽっかり開けて。

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