短編2
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残念無念

勇太(仮名)は今、終わる保障が無い悪夢を見続けている。

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勇太「くっ、こうなったら・・・」

肩が触れたことで殺人鬼を怒らせてしまい、

広い倉庫、と思しきやや暗い場所の隅に追い詰められてしまっていた。

元柔道部で体格が良い勇太だが、相手が悪かった。

チェンソーを持っている。

倉庫の出口まで逃げ隠れしながら脱出。それ以外の手段は無かった。

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バッ! 相手の隙を突いて隅の影から飛び出し、

ドラム缶に隠れる。

だが、隠れるのにやけに時間がかかる。

勇太「⁉ ちくしょう、早くしねえと・・・」

殺人鬼「遅いんだよ」

チェンソーが振りかざされ、、、、

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バッ! 相手の隙を突いて隅の影から飛び出し、

8つ並んだロッカーに隠れる。

今度は、一瞬で隠れられた。

勇太「開け閉めの音もしなかった。呼吸も抑えている。これで一発でわかるはずが」

殺人鬼「わかるんだよ」

チェンソーが振りかざされ、、、、

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バッ! 相手の隙を突いて隅の影から飛び出し、

大きな家電らしき物が複数置かれた死角に隠れる。

ここに人間が隠れていると気づく者がいるだろうか?

しかも、倉庫の出口が見えるような場所だ。

勇太「ハハハ! 今度こそ俺の勝ちだ!!」

殺人鬼「ところがそうはいかないんだな〜」

チェンソーが振りかざされ、、、、

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バッ! 相手の隙を突いて隅の影から飛び出し、

目の前の殺人鬼「お前、まだ気づかないのか?」

勇太「なっ、何がだ。」

殺人鬼「お前は・・・」

勇太(まさか?!)

殺人鬼「太り過ぎてるんだよっ!!!」

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かつては柔道で鳴らした漢も、

柔道を引退してからは見る影もない肥満男と化していた。

ドラム缶には入ることができない。

ロッカーに隠れたつもりが、扉が完全に閉まらない。

死角にいても、体型が大きすぎて見えてしまう。

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殺人鬼は激怒した。

(※肩が触れたことではなく、悪夢とはいえ一向に気づかないことに)

かの、醜形肥満な男を(目が覚めるまで)成敗せねばならない。

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勇太「太ってきて、すみません」

勇太は、酷く赤面した。

Concrete
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