短編1
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包丁を持った手

あるところに母と3人の息子と1人の娘の家族が暮らしていました。

母親は息子達は可愛がるが、娘を邪険に扱い、毎日荒地に行かせては泥炭を採らせる仕事をさせていました。

家の近くの丘には妖魔が住んでおり、娘とは恋人同士でした。妖魔は娘の仕事を知ると、毎日、よく切れる包丁を貸してくれるようになり、おかげで泥炭を簡単に切り出せるようになりました。

あまりにも娘が簡単に泥炭を運んでくるので、おかしいと感じた母親は息子達を連れてこっそり娘の後を追いました。

すると、岩影から伸びた手が娘に包丁を渡しているのを見つけました。

母親は娘から包丁をとりあげると娘のふりをして妖魔を呼び出し、妖魔は娘だと思い手を伸ばすと母親は包丁で妖魔の手を切断してしまいました。

娘が心変わりしてしまったと思った妖魔は二度と姿を見せることはありませんでした。

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