中編4
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Yの霊感体質

もう15年以上も前の兵庫県の出来事、あれは蒸し暑い時期だったから夏だと思います。

当時学生だった僕はその日、友人のYと夜遊びの帰りに、近道となる公園の中を通って帰ろうと、自転車で向かっていました。

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時間帯などは詳しく憶えてませんが、その日は夜も遅く早く帰らなければと焦っていたんです。

この近道は、Mヶ丘公園と呼ばれる広い敷地を有していて池もあり、その中に中華風のお堂?のような建物も造られているとても風流な場所です。

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その為、昼間は散歩をする人が非常に多いんですが、夜になると雰囲気が一変して暗くなり、非常に入り難くなります。(当時かなり暗くて、不良に絡まれる恐れがあった)

ちなみに地元では有名な幽霊坂も近くにあり、とにかく深夜は気味が悪いのです。

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やがてその公園の入口に着きましたが、やはりあまりの真っ暗さに一時停止。

しかし自転車ならば夜の公園で何が起こっても、当時はダッシュで逃げられる自信があったので、僕らは近道という誘惑に負けて公園の中に入ってしまいました。

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舗装されてない砂利道を、ガリガリと音を立てながら自転車のライトを頼りに道を進んで行くと、この公園の中にある大きな池の側の道に差し掛かりました。

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その時に、Yが急に自転車のブレーキを掛けて停車し、池の方を見だしたんです。

池の中心部をYが凝視していたので、僕もその方角を見るとなんとそこには、ボャーと何か白いものが浮いて見えます?

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立ち止まって見ると、人の形に見えます・・

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数秒間見たでしょうか?僕は怖いもの見たさで、おいY何んやろあれ?と声を掛けたら、Yにアホ!声がデカイと一喝され、そして全速力で公園を抜けるぞええな?と言うと、Yがダッシュで公園の出口を目指して漕ぎ始めましたから、僕も訳がわからないけど必死で自転車を漕ぎました。

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後ろを振り向くなと言われたんですが、どうしても気になり後ろを振り向くと、白い物が後ろをついて来てるように見えます?

それを見て初めて怖いと思い、追いつかれたらヤバイと本気で立ち漕ぎダッシュ!

shake

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そうして二人で公園を抜け出た後、住宅地でYはやっと自転車を止め、アイツはここまでは来られへんからもう大丈夫や!と声をかけて来ました。確かに白いものはもう消えています。

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汗だくになりながら、あれなんやったん?とYに聞きましたが、Yは笑いながらそれじゃ帰るわ!と言うとまた自転車を走らせて、さつきの出来事を詳しく説明せずに、自宅方面の道に走り去って行きました。

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次の日、クラスが違うのと話をはぐらかされるので、学校が終わった後にYの家に遊びに行き、(当時Yの家が溜まり場だった)話さなかった昨日の出来事について話せよと問いただすと、そこにYのお母さんが飲み物を持って部屋まで運んできました。

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僕はYのお母さんに、実は昨日にMヶ丘公園で幽霊らしきモノ見たんですよ!と冗談で話したらなんと、またなん?と珍しくもないという感じで返事を返されてしまった。

おばちゃんが言うには、このYは昔からそういうのを引き寄せる体質があるらしく、夜にあの公園には近付くなと言っていたらしい。

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Yに霊感体質があった事にも驚いたが、僕が目撃したモノはやはり幽霊だったのか?とも驚いた。

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今現在、なぜこんな昔話を思い出しながら文字を入力しているかというと、昔ドライブ中に山道で恐怖体験した時も、そういえばYがいたな……と気が付いたからです。

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何が言いたいのか?

これは経験からわかった事だけど、一般の人間が幽霊を見たいと思い、心霊スポットに行ったとしてもなかなか見ることはできない。

しかし、いわゆる霊感のある人と出そうな場所で行動を共にすれば、どうやら他人にも見える確率が上がるようです。

実際に奇妙な体験の時は、いつも彼がいました。

(ただ、Yの場合は他人にも見せる事が特化してるみたいです)

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僕はこれを他者との共感作用?と思ってるんですが、幽霊見たいと思ってる人は霊感体質の人をドライブでも行こうと誘って、心霊スポットに行けば幽霊が見れるかもしれないので、ぜひ試してみてください。

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shake

たぶん危険ですが!(笑)

実行して、何かあっても責任とれません。

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最後に、Mヶ丘公園の近くに更に大きい、K池公園があります。

その公園の池に、深夜火の玉が目撃されているという話がテレビで放送されていました。

この話しの怪異の主と関係あるのかな?と考えていますが・・

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