短編2
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雇われシリアルキラー

Aにはシリアルキラーの友人が居る。

俺はその話を全く信じなかった。

Aは憤慨し俺をシリアルキラー本人の元へと連れて行った。

一悶着あったが自称シリアルキラーは人を殺す所を俺に見せてくれると言った。

数ヵ月後に呼び出されるとAとシリアルキラーは登山装備に身を包んだ連中を何人か引き連れていた。

どうやらアマチュアの登山愛好家グループと一緒に登山を行うらしい。

登山?

運が良ければ人殺しの現場を見せてやるとシリアルキラーは豪語した。

山で人を殺すというのか?

狐につままれた様な気分になる。

興味本意で下らない話を信じ参加した事に馬鹿馬鹿しくなってきた。

結局、登山に参加したが登ったのは結構急峻な山だった。

それは正午を過ぎた頃。

油断したのか崖を登っている時に一人の老人が滑落した。

彼は頭を打っているらしく出血が止まらない。

その時、シリアルキラーがさっと飛び掛かると老人の傷口に細長い木の棒を突っ込んだのだ!

クチュクチュクチュ

驚くべき事に老人の脳を掻き回し始めたのだ。

目をグルグルさせて「オゴッコッコッコ」と数回奇声を発すると老人はそのまま動かなくなった。

絶命したのだろう。

そのままチューチューと美味しそうに老人の脳を啜り始めるシリアルキラー。

この出血ではどのみち助けが来るまで生き延びる事は無理だった。

だから安楽死させたのだとシリアルキラーは言った。

こうして怪我人を安楽死させるのが俺の仕事だと言っていた。

好き好んで人殺しする訳では無いので自分は純粋な意味でのシリアルキラーでは無いともと言っていた。

しかし、それならばなぜ脳を啜ったりしたのか?

死者への冒涜ではないのか?

疑問と葛藤は尽きず山を降りた後もこの出来事に数週間は茫然自失する事しか出来なかった。

あれから半年経過している。

ようやく何があったのか現実を直視出来る様になったのでここに創作として書き込ませてもらう。

Concrete
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そういう奴が身近に居て欲しくない。オーノー!

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