航空写真で見つけた謎の廃墟

中編4
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航空写真で見つけた謎の廃墟

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これは2018年の春くらいの話です。

この日は仲のいい友人Aと一緒に、いつものように夜の廃墟探索をしていました。

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しかし、ほとんど行き尽くしてしまったため、ネタ切れ状態になっていました。

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仕方なくネットなどで検索をかけて探してみるものの、既に行ったことのある廃墟や知っている場所しか出てきませんでした。

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なので切り札として、『Googleマップの航空写真』を使って廃墟を探しました。

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航空写真ではたまに掘り出し物の廃墟を見つける時があるのですが、今回もそれに頼る事にしました。

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暫くGoogleマップ(航空写真)を見ながら、山沿いなどを探しますが、中々それ(廃墟)らしきものは見つかりません。

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そして某集落周辺を探していた時でした。

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『あれ??なんだこれ?』

なんと航空写真を何となく見ていたら、某集落の森の中に、怪しい廃墟らしき建物の屋根があることに気付いたのです。

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しかもその建物は、集落から離れるようにポツンと1軒だけ建っていて、その建物へ続く細い道が表示されていました。

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更にその建物をよく見てみると、屋根の一部が所々崩れていて、森の中に埋もれるように建っていました。

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『うわー…ヤバイの見つけたかも!』

突然見つけた廃墟らしき建物に興奮していました。

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他に行くところが無かったので、早速そこに行ってみる事にしました。

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しかし航空写真で確認すると、その問題の建物へ行くには、集落内に入らなければならないようでした。

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そしてその集落内に入ると、何故か入り口に地蔵が祀られていて、近くには民家もありました。

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すると問題の建物に続いているらしき怪しい林道が見えました。

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ですがその林道はかなり道幅が狭く、舗装もされていないため、車で行くのは少し厳しい感じがしました。

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A『これちょっと無理じゃね?』 

とAが言いました。

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仕方なく、集落から少し離れた場所に車を停めて、歩いて行く事にしました。

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真っ暗な林道を懐中電灯🔦で照らしながら歩いていると、道の途中に墓がありました。

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『うわっ…ここ墓あるじゃん、ヤバくね?』

A『うん、ちょっと怖いな…。』

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恐怖心に耐えながらも歩き続けていると、また墓がありました。

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この林道には何故か墓が幾つかあり、空気が重いというか、かなり不気味な感じがしていました。

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そして暫く歩き続けていると、突然、背の高い雑草がボウボウに生えている行き止まりに着きました。

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Googleマップの航空写真を見て確認してみると、確かに道はまだ続いていたようなのですが、暫く人が来ていないせいか、どうやら道はここで途切れているようでした。

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しかも左側には、気味の悪い沼が…。

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『あー…これは無理なパターンかな。どうする?』

A『もう帰ろうか…。』

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とAが言ったので、仕方なく引き返そうとしたその時、

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『うううぅぅぅぅぅぅーー…』

という女性の呻き声がはっきりと聞こえてきたのです…。

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しかも段々その声が近付いてきているような感じがしたので、すぐに元来た道を引き返しました。

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歩いて引き返している途中、また不気味な墓地の所に来ました。

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すると何故かAが妙に後ろの方を気にしていました。

『どうした?』

とAに聞くと、

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A『いや…別に』

この時Aは、明らかに何かの気配を感じているようでした。

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そして暫く歩いていると、ようやく不気味な林道を抜けて集落に戻ってきました。

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『はぁ、やっと戻ってきたな』

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試しにもう1度Googleマップの航空写真をよく見てみると、なんともう1つ、問題の建物に続く道があることに気付きました。

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『もう一ヶ所道があるみたいだから、そっちも少し見てこよう』

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A『わかった』

怖がっているAに強引にそう言うと、もう1つの道があるらしき山道に向かいました。

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しかしいざその道に着いてみると、真っ暗な森になっていたため、どうにも行く気にはなりませんでした。

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『やっぱりこっちも無理そうだし…帰るか』

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仕方なく廃墟らしき謎の建物は諦めて、帰ろうとしていると、

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突然Aが、

A『あっ!!今誰か歩いてきた…』

と言いました。

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『えっ??うそ?』

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なんとこの時、Aが言うには、自分らが歩いて帰ろうとしていた時、突然進行方向から人が歩いてくるような足音がはっきりと聞こえたそうです。

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怖くなりすぐに車に戻ると、先程林道を歩いていた時の異変について話しました。

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あの時、自分が聞いた呻き声は何故かAには全く聞こえなかったそうです。

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そして墓がある辺りで妙に後ろを気にしていたのは、後ろから着いてくるような足音が聞こえていたんだそうです。

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帰りの車中では、あの謎の建物にたどり着けなかったためか、かなり悔しい感じがしました。

どうにもあの建物が気になって仕方がなかったのです。

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次回必ずリベンジすると誓い、この日は家に帰りました。

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その夜から数日後、やはり諦め切れなかった自分は、もう1度この場所を訪れました。

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そしてついに、この謎の建物の正体が明らかになったのです…。

続く

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