短編1
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誰にも渡さない。

彼から、ある日突然告げられた言葉は私が一番聞きたくなかった言葉だった。

「別れよう…。」

なんでそんなことを言うの?こんなに愛しているのに。嫌よ、私絶対別れないから。

「他に好きな人ができたんだ。ごめん。もう連絡とらないよ。」

嫌よ、いや・・・誰にも渡さないわ・・・

あの人びっくりするわよね。ある日仕事が終わって、家に帰ってきたら、私が死んでいるんですもの。

どんな風に最後を飾りましょうか。

そうね、玄関先で首を吊るのもいいわね。バスルームで手首を切りましょうか。それとも、心臓を包丁で・・・。

そうしたらあなたの頭の中は、ずっとずっと私でいっぱいよね。離れられないわよね。もう誰とも付き合うどころか、結婚さえしないでしょうね。一生私の影に怯えて生きていくのよ。ほんと、おかしくて笑っちゃうわ。

そうね、明日辺りにでも、決行しようかしら。彼の驚く顔が見られないことが、唯一の未練だわ・・・。ふふふ・・・。

誰にも渡さない・・・

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
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