中編4
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マウスの飼育(コピペ)

某研究所の実験動物棟で働いていたときの話です。

仕事内容は動物の世話/実験室の掃除/滅菌処理/実験補助等。

自分がいた実験動物棟はクリーン動物(マウス)を飼育している棟で、

入室には無塵衣という、塵の付きにくい全身を覆うタイプの衣に着替えます。

むき出しの部分は顔と手、足だけの服です。

滅菌マスクをし、手は消毒後、医療用手袋をつけます。足は滅菌済みの靴下をはきます。

この状態だと声、体型、目、眼鏡くらいでしか、人を判断できません。

その日、私は休日出勤に当たっており、チャチャッと終わらせて帰ろうと思い、

急いで、クリーンエリアへと向かいました。

扉の前には私たち実験補助要員のネームプレートと研究員のネームプレートが

掛かっており、私は自分の名前の書かれたプレートをひっくり返し、

他に人がいないことを確認しました。

動物を扱うため、休日はローテーションで一人出勤があたりまえです。

また、研究員たちも、まず出勤する人はほとんどいません。

早々と無塵衣に着替え、エアシャワーを浴び、中に入りました。

クリーンエリアといっても色々で、通常、導線は

脱衣所→エアシャワー→廊下→各部屋(動物室/実験室)→廊下→脱衣所

まあ、簡単に書くとこんな感じです。気圧調整もされています。

淡々と作業をこなしていき、作業も半ばに来たときでした。

「ゴゥーーー」というエアシャワーの音がしました。

私は「あ、誰か入ってきたな」と思い作業を続けたのですが、

しばらくして、おかししい事に気がつきました。

いくらたっても部屋に入る扉の音がしないのです。

普通、気圧調整された部屋に入るときは、扉の上にあるダンパー(空気を逃がす装置)が

「カパーン!」と音がするし、扉自体の音が「ガチャン!」と音がします。

一番遠くの部屋にいても聞こえる音です。

不思議に思い、各部屋を点検に行きました。

扉には小窓(のぞき窓)がついており、小窓には蓋がついています。

一部屋ずつ小窓を覗いていきます。

蓋を「カパッ」とあけ小窓を覗き、「パタン」と締め次の部屋へと。

全ての部屋を覗きましたが誰もいません。

釈然としませんでしたが、作業中の部屋に戻りました。

作業はマウスの戸敷を新しいものに変えるという作業です。

部屋にはケージと呼ばれるマウスを飼育するケースが、ラックに並べられています。

ラックは一部屋に6個設置されており、1ラックは4段の作りになっています。

1段に5ケース。1ケースには1〜5匹のマウス達が飼育されています。

かなりの数のマウスがガサガサゴソゴソ、「チチチッ」(泣き声)など絶えず音がしています。

と、そのとき一瞬マウス達のザワザワが止み、

「パタン」という音が部屋に響きました。

扉についている小窓の蓋を閉める音です。

「!!」「なんだ?!」「誰か覗いていたのか?」

急いで扉を開け廊下を確認したのですが、

一歩道の廊下には誰もいません。

廊下には飼育室/実験室へと繋がる扉が均等に並んでいるだけです。ドアの開閉の音も聞こえませんし、「なんかやばいぞ!」と思い、

とにかく急いで仕事を終わらせました。

クリーンエリアを出てネームプレートの確認をしましたが、

入室中は自分のみ。靴も確認しましたが、自分の靴しかありません。

おかしい。確かに音がしたのに。

エリア外から中の廊下を覗ける場所があり、見に行きました。

「あれ・・誰かいる・・」

一本の廊下の左右に扉が並んでいる。

その廊下の真ん中あたりに人がいます。

廊下の突き当たりは壁。反対の突き当たりは、今除いている壁+窓。

「あれは誰だ?」

無塵衣を着た人が、這っているのが見えました。

四つんばいで、身を小さくして、

ちょっと進んでは止まり、またちょっと進んでは止まりという感じです。

じっと見ていると、ソレの動きは止まりました。

そしてこっちを振り返りました。

私は反射的にお辞儀をしていました。(エリア内では普通の挨拶の仕方です)

そして誰かを確かめようと顔を見ました。

無塵衣の空いている部分(顔の部分)、マスクのせいで目だけしか見えませんが、

その目がおかしい。目に何か生えている。

距離にして約30mくらい。遠くてよく見えない。

よく見ようと身を乗り出した時。

ソレが凄いスピードでこっちに向かって這いずってきました。

四つんばいなのに滅茶苦茶はやい。

「うわっ!」思わず声がでてしまった。

2〜3mまで迫ったとき、目に生えているものがわかりました。

それは注射針でした。向かって左の眼球に注射針が刺さっていました。

反対の目は、目元が糜爛(ビラン)しているようで爛(タダ)れていました。

その瞬間、ピョンとソレがジャンプして私に飛びつこうとしました。

私は目をつぶってしまい、恐る恐る目を開けたのですが、

壁(ガラス)にあたっているだろうソレは消えていました。音もしませんでした。

ホットしたそのとき、女性の大きな声が!

「許さない!許さない!お前ら覚悟しておけ!*○×▼△!(聞き取り不可能)」

逃げた。私は転げるように逃げ帰りました。

職場の人にはこの話をしませんでした。

その後転職してしまったので、どうなったかはわかりません。

あれは何だったのか・・

怖い話投稿:ホラーテラー ますおさん  

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