短編2
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みかん箱

友人の実家は、築60年の日本家屋をベースに増築されていて、その関係で陽の差さない和室があるそうです。北側に縁側があるので、真っ暗では無いそうですが。

その部屋は仏間ですが、暗くて温度が上がりにくいので、食料貯蔵場所になっているとか。

「果物とか、お菓子とか、大抵あの部屋においてあるからさ、腹減ったら仏壇の周りをあさりに行ってたんだよな。電気つけるとばーちゃんに見つかって怒られるから、薄暗いとこでつまみ食いしてた。つか、今でもしてるけど。」と友人は言います。

友人が中学生の頃、いつものように食料を探しに行ったら、仏壇の前に大きいきれいなみかん箱が置いてあったそうです。

彼は、みかんだったらつまみ食いが分かりにくいだろうと、さっそく開けてみたのですが。

土が、ビニル袋に詰められて、ぎゅうぎゅうに入っていたそうです。

芋でも入っているのかと、袋を開けて中をかきまわしてみても、乾いた土とかさかさした白っぽい欠片しかなかったそうです。

食料第一の彼にとって、食えないものは無意味。別の箱からお菓子を発見して、それきり忘れていたそうです。

夕飯の時、お父さんが「仏間に御遺骨が置いてあるからいじるなよ」と言うまでは。

お墓を移動させるため、ご先祖様をお迎えしていたとも知らず、ご先祖様とご対面。思わず盛大に味噌汁を吹いたそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー やのさん  

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