中編3
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振り向かなくても

 お恥ずかしい話ですが、私は存在感が薄いとよく言われます。割と初対面の人にも、そうじゃない?と言われます。

でも、自分では目立つような事はしなくても、特にいつも黙っているわけじゃないのに、なぜか忘れられやすいんです。

 なぜ、存在感が薄いのか、今の私ならわかる気がします。

 学生の頃、友人に守護霊占いにはまっている子がいました。中学の友人で、高校は違いましたが、たまに会っていました。

 「美利河ちゃんも受けてごらんょ」よく言われていましたが、お金を出すのが嫌で…。でも、占いって時間制?なんですね。

 よく当たると友人が行っていた占い師が、気さくな感じの方で、「別にかまわないよ」と少しだけ占ってもらえることに。

 ブースって言うんでしょうか?布が掛けられて区切られた、薄暗い小さな部屋へ招き入れられました。

 入った瞬間、ちょっと化粧の濃い40くらいのおばさんが、ガタッと椅子を引き、壁にぶち当たりました。「大丈夫ですか?」

 やわな作りのブースは四方が揺れていました。

 「え?」私の質問をまるで聞いていなかったようで、立ったまま、私の隣にいる友人に「この方が、お友達?」と聞きました。

 もちろん、友人はそうだと答えたのですが、どうも占い師がおかしい。私は、そんなものなのかな?とも思いましたが、占い師は私が遠慮なく座るとお辞儀をしてから座ったのです。

 座ってと言われてから座るべきだったな…と少し後悔した時、占い師がようやく私に語り掛けました。

 お宅の…あなたのご先祖様は、神社に関わりのある方かしら?と。確かにそうです。M県にある有名な神社で神主をしていました。その地域独特の名前を持っていました。

 素直に、はいと答えると、占い師は興奮気味に言いました。あなたの守護霊は、その神主で、しかも通常は背後に立って見守る姿勢を見せる守護霊が、

 あなたの守護霊は、あなたの前に立っています。と。

 それから、当たり前のように聞かれました。

 誰かから、無視されたり、挨拶に気付かれなかったりしませんか?と。私は、軽くいじめられているか聞かれているのかと思ってむっとしました。

 あなたは、守護霊の影に隠れるような形になってしまっているので、少しでも霊感のある人からは見えにくいのだと教えられました。

 そして、私の守護霊は自分以外の霊を大半は穢れだと思っているようで、除霊まではできなくても退ける力を持っていると教えられました。

 「だからなのよ、私、あなたが入ってきた時に、自分の守護霊が嫌だ嫌だって逃げ出そうとしたの。でも、自分の守護霊がいないと私には霊が見えないの」

 私は神社に行けばお守りを買ったり、お寺に行けば手を合わせたり、大きな怪我をしないのはそのおかげだと疑っていませんでした。

 そのご先祖様の助けもあるのよ、と生まれて初めて知りました。

 「じゃあ、私に霊能力は…」芽生えるの?「あいにくと、何もないみたい」 オプション品の方が豪華な通販商品みたいだと私は思った。

 でも、『駅』で飛び込みをした人が私や母について来なかった理由はそこにもあったのでしょう。

 ご先祖様に感謝の日々です。

怖い話投稿:ホラーテラー 美利河さん  

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