短編2
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彷徨

:おーい‥‥‥‥‥‥

目の前にあるのは果てしなく続く闇。携帯を懐中電灯代わりにして歩く。

:‥‥誰か‥‥いるのかぁ!?

誰か人の体にぶつかった。

:うわうわっ!!!?済みません、誰‥‥ですか?

:か、化学の仲村です。君の名前は?

大人に会えた。凄く安心してしまった。もう大丈夫なんだと思った。

:隆です。3−Cの生徒す。

:俺以外に、誰かに会った?

:いや‥‥‥‥俺さっきまで気絶してたみたいなんで。

:‥‥‥‥どこから来たの?

:‥‥ちょっと分かりません。ずっと歩き続けてんすけど、行けども行けども真っ暗闇なんで‥‥物の感触はあるのに‥‥。

真っ暗闇どころなもんか。これは真っ黒闇だ‥‥俺は半ばパニック状態に陥っていた。

:俺が来た道もそうだった。ここは‥‥廊下なのかな?

よく聞くと仲村先生の声は震えていた。声がかすれてる。相当に怯えていたのだろう。

:‥‥‥‥‥‥‥‥。

長い沈黙の後に俺がまた会話を始めた。

:あの、これ‥‥何が起こったんすか‥‥‥‥‥‥‥‥?

:‥‥‥‥‥‥校舎のブレーカー、治せると思って修理してたら‥‥‥‥ブレーカー落ちちゃって(笑)ごめん。停電だ♪ちょっとマジやべぇよ、これ(笑)

仲村先生の眼鏡が微笑んだように感じた。

:‥‥‥‥‥あ、そうだったんですか(笑)うひ♪

俺は仲村先生を長時間殴打した。

それがただの干物きれとなるまで長時間殴打し、しょうじ紙より薄くしてやった。

怖い話投稿:ホラーテラー 渡辺広之さん  

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