:おーい‥‥‥‥‥‥
目の前にあるのは果てしなく続く闇。携帯を懐中電灯代わりにして歩く。
:‥‥誰か‥‥いるのかぁ!?
誰か人の体にぶつかった。
:うわうわっ!!!?済みません、誰‥‥ですか?
:か、化学の仲村です。君の名前は?
大人に会えた。凄く安心してしまった。もう大丈夫なんだと思った。
:隆です。3−Cの生徒す。
:俺以外に、誰かに会った?
:いや‥‥‥‥俺さっきまで気絶してたみたいなんで。
:‥‥‥‥どこから来たの?
:‥‥ちょっと分かりません。ずっと歩き続けてんすけど、行けども行けども真っ暗闇なんで‥‥物の感触はあるのに‥‥。
真っ暗闇どころなもんか。これは真っ黒闇だ‥‥俺は半ばパニック状態に陥っていた。
:俺が来た道もそうだった。ここは‥‥廊下なのかな?
よく聞くと仲村先生の声は震えていた。声がかすれてる。相当に怯えていたのだろう。
:‥‥‥‥‥‥‥‥。
長い沈黙の後に俺がまた会話を始めた。
:あの、これ‥‥何が起こったんすか‥‥‥‥‥‥‥‥?
:‥‥‥‥‥‥校舎のブレーカー、治せると思って修理してたら‥‥‥‥ブレーカー落ちちゃって(笑)ごめん。停電だ♪ちょっとマジやべぇよ、これ(笑)
仲村先生の眼鏡が微笑んだように感じた。
:‥‥‥‥‥あ、そうだったんですか(笑)うひ♪
俺は仲村先生を長時間殴打した。
それがただの干物きれとなるまで長時間殴打し、しょうじ紙より薄くしてやった。
怖い話投稿:ホラーテラー 渡辺広之さん
作者怖話