短編2
  • 表示切替
  • 使い方

店の階段

私が小学生ぐらいまで、母親が小さな商店を経営してました。

田舎によくある店舗兼住居。

そこでも住めるのですが、何故かそこには住まず、徒歩5分の母の実家が私達の自宅でした。

学校から帰ると、店の方が学校から近い事もあり、自宅に帰らず店が終わるまでそこにいました。

その日、まだ姉は帰っておらず、私は1人で店の2階で遊んでました。

するとトントンと階段を上がってくる音が聞こえました。

私は「お姉ちゃん帰って来た!隠れて驚かしてやろう♪」と部屋の入口である障子の横で待ってました。

ところが何時までたっても部屋に入って来ません。

「あれ?」っと思って障子を開けて見ましたが、誰もいません。

2階は階段を上がると直ぐ左に曲がって2メートル程の廊下。右は台所、左に和室。突き当たりに私がいた和室がある造り。

台所は硝子の障子で、開けると大きな音がするのでそこに入ったらすぐわかります。

和室は障子が開いてましたが誰もいません。

「おかしいな~?」と思いましたが、子供なのですぐ忘れてまた遊んでました。

それから何日かして、友達3~4人と2階で騒いでいた時、また誰かが上がってくる音がしました。

走り回ったりしてたので母が叱りに来たと思い、ピタッと止まって開け放した障子から廊下を見ました。

全員が凝視する中、トントンと音がして、上がりきったあたりで音は消えました。

誰もいません。

「あれ?誰か上がって来てたよね?」

「うん、でも誰もいないね?」

怖いとかは思わず「不思議だね」って思うだけでした。

その後も何度か聞きましたが「あぁ、また階段で音してる」って思ってもシカトしてました。

今は店を閉め、使わないので廃墟になってます。

霊感が強い知り合いに店の写メを見せたところ「ここ、裏に水路がない?(当たっててビックリしました)そこから来てるけど、悪い者ではない」との事。

母は何も言ってなかったけど、母も霊感があったから知ってて店では住まなかったのかな?と思います。

怖い話投稿:ホラーテラー 鳴門金時さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ