短編2
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見える子

俺の姉は2年前まで、保育園の先生をしていた。

結婚を期に辞めたのだが、嫁ぎ先が近い為、ちょくちょく実家に帰ってくる。

先日も「サラダを作り過ぎちゃた」とかで、ポテトサラダをボールに入れて持って来た。

丁度その時、俺は台所でこのサイトに投稿する文章を携帯に打ち込んでいた。

「何してんの?」と除きこんだ姉だが、このサイトの事知っていて、「面白い話教えてあげよっか」と言い、自身の体験談を教えてくれた。

保育園に勤めていた頃、園児を連れてよくお絵かきに出かけたという。

ある日、歩行者専用の吊り橋から園児に絵を描かせた。

しかし、20ほどいた園児のうち4人だけが、下の河原に人の絵を描いた。

保育園に帰ってその事に気づいたのだが、どう思い返してみても河原に人なんていなかった。

4人に聞いたらみんな「男の子」と答えた。

その時は、(私が気付かなかっただけかも・・・)と無理矢理自分を納得させたそうなのだが。

1ヶ月くらい経って、今度は公園で絵を描かせる機会があった。

その時も、人がベンチに座っている所を描いている子が4人だけいた。

どこのベンチを見ても人なんか座っていない。それどころかその時には、姉と園児以外誰もいなかったという。

前の時と同じ園児である。

前回と違い、描いている途中に気づいたのでそれぞれに聞いてみた。

そしたら4人とも

「汚い服を着た女の人」

と答えたらしい。

姉は「それから、園児を連れて外に出る回数がめっきり減った」と言った。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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