短編2
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修道イン3

俺達はゆっくり歩いて中庭まで必死な思いでたどり着いた(走ったらパニックになると言い聞かせながら)「あーっ!」

なんと消えた後輩が壁の上に座っているではないか!「なにしてんだよ!」

「どこにいたの!?」

さっき消えていなくなったことより、生きてそこに後輩がいることに感動してしまった

「ヤバイっすよ」

壁の上から後輩が修道院の右隅を指さした

俺達はとっさに振り向いた

来る!たくさんの何かが!間違いなく何人もいる!

しかし人と言うより、影の様な黒い煙りのように見える

体が動かない、息もつまり声も出ない、というより首を絞められように呼吸すらできない

(だめだ終わった)

心のなかで生きていることをあきらめた

思わず目を閉じてしまった

霊のような集団は自分達の周りを囲んでグルグルと動いている(目は閉じていたがわかる)

もう何もできない、恐怖に完全に支配されてしまった数分?数十秒?時間の感覚はなくなっていた

俺は勇気を奮い立たせ目を開けた

やっぱりいる!!

グルグル早いスピードで影に取り囲まれている

気絶しそうだ!これは夢?天罰?この状況で、いろいろなことが頭に浮かんでは消える

「こっちへ!」

壁の上にいた消えた後輩の声が聞こえた

俺達は影を突き破るようにいっきに走り出した

さっきまで動けなかったのは何故!?ってぐらい素早く動けた気がする

しかし壁は高いしどうする?修道院側には足場は作ってないぞ。

後ろから影の集団も追いかけてくるのがわかる

もうどうしようもない、後輩のいる壁に向かって飛び付こうとした!

おっいける!何かの跡なのか地面が盛りたがっているじゃないか

俺はいっきにジャンプしようとした

(げっ!)

地面に人の顔が浮かんでる!

しかし勢いを止めることはなく飛び上がることに成功、壁の上に!

そして振り返るともうそこに不気味な建物しかない

「ここでずっと待ってるのも怖かっですよ」

はぁ?

消えた後輩は中に入ってないと言うのだ??

俺達は壁から飛び降り車に向かいながら話した

じゃ、あれは誰よ???

もう一人の後輩と俺は不思議に思ったが思考回路が働かない、何も考えられない

帰り道の3時間は三人ともほぼ無言

なにかとてつもない失敗をしたときのようだった

しゃれにならない肝試しは終わったはずだった……

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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