短編2
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幸子

あるところに小さな女の子がいました

女の子の名前は幸子

幸せになりますように

と、両親がつけた名前だった

でも幸子は大きくなっても一向に言葉も覚えず

行動も幼稚なままでした

そう、幸子は脳に障害をもって産まれてきたのです

両親はそれを大変悲しみました

幸子の父は妻に言いました

「どんな風になっても、幸子は俺達の大切な娘だ。一緒に頑張ろう。」

その言葉で母は涙を流してこれから一緒に頑張る事を誓いました

そして、しばらくの年月が過ぎました

幸子の母は最初は頑張っていました、涙をこらえ、笑顔で幸子に接しました

ですが幸子が中学生にあがる年になったころ

とうとう母は我慢の限界を迎えました

中学生になり、幸子と周りの同年代の子供達との違いが際立ってしまったのです

幸子の母はことあるごとに父に

「幸子はいつ治るの?」

と、癇癪を起こすようになりました

父はその度に「一緒に頑張ろう」と幸子の母を励ましました

そしてそれからまた数年の歳月が流れました

幸子はもう高校生になる年です

そしてその頃から父に異変が起き出しました

幸子や幸子に悩む母に接するストレスが災いしたのか

父親は重度の鬱病を発病してしまいました

幸子の母親は障害をもった娘と鬱病で塞ぎ込む夫の間で

辛く苦しい日々を過ごしました

幸子の母は考えました

幸子が言葉を全く覚えず、夫が塞ぎ込んだ理由はなんなのか?

そしてある時、夫が「家を出なくてはならない」と、言い出しました

幸子の母は慌ててききました

なんで?

一緒に頑張ろうってあれだけ約束したのに?

幸子の母の制止もむなしく夫はその家を出ていってしまいました

幸子は夫が出て行った部屋で、赤ん坊のように同じ動作を繰り返す幸子を見ていました

幸子の母はいつものように、幸子に近寄ると、その体を軽く押しました

すると幸子はその同じ動作を止めて、コマのように回転しだしました

バタン

その時です、この家のドアを開ける大きな音がしました

もしや夫が帰ってきたの?

幸子の母は目をキラキラさせてドアの方を見ました

ですがそこにいたのは夫ではなく、見知らぬ二人の男でした

続きます

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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