中編3
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なんでだよ・・・

初投稿です

長いです

よろしくお願いします

なぜ俺は追われているのか?

なんでだよ・・・

俺は金がなく常に疲れている東京の大学に通う普通の学生

家は何の変哲もないアパートの一室

今日は塾の講師の面接で堅苦しいスーツを着なければならない

夏で暑いし蒸す

たるぃと思いながらも割のいい仕事だしと玄関を出た

出た瞬間、違和感を感じた

今日は日曜なのに外には誰もいないのである

まぁ裏通りだし、時間もあるので全く気にしなかった

少し歩くと、さらに違和感を感じた

誰か後ろからついてきている!?

ゾワゾワっとした

振り向くと短髪で、頬はこけて、目は見開き、クマができていて、やけにひょろ長い、短パン姿の男が俺の事を見ている

俺の本能が体に逃げろと命令した

俺はダッシュした

高校ではアメフトのランニングバックをやっていたので足には自信があった

後ろも振り向かず走り続けた

なんでだよ・・・

俺は

もう追いかけてこないだろうと思い

目の前の角を曲がり、走るのをやめた

息はあがり、心臓の鼓動が聞こえる、ワイシャツは汗で体に引っ付いて、気持ちが悪い

後ろを振り向いたが、誰もいなかった

また前を向いて歩き出そうとした時

「タッタッタッタッタッタッ」

足音が聞こえた

角から奴が現れた

顔はやはり俺を見ている

息一つ乱れていなく、表情がない

俺はまた走り出した

今度はぴったりついてくるなんでだよ・・・

逃げ切れないと悟った俺は「なんだお前、ついてくるなら殴るぞ」

相手はなんにも反応しない

内心、俺はびくびくだ

「なんか反応しろや」

俺は急に止まり奴を殴った

奴は地面に倒れ、俺はまた逃げた

しかし今回逃げたのは

「警察に逮捕される」

と思って逃げた

ひき逃げ犯の気持ちが少しわかった

走ったが、やはり気になり後ろを振り向くと

遠くで奴が立ち上がるのが見えた

そしてまたこっちに走ってくる

汗が目に染みる

体が汗で気持ち悪い

店に逃げ込もうとも思ったが、お店は全てシャッターがしまっている

角を曲がった

自販機が2台ある

あの間に隠れよう

そこは人が一人やっと入れるところで、きつかった

挟まりながら息をひそめる

気付かず通り過ぎてくれ

祈った

「タッタッタッタッタッタッ」

目の前を奴が通り過ぎた

「タッタッ・・・」

息を殺した

今は心臓さえ止まれと思った

祈りは届かなかった

奴が覗き込んでいる

しかし何にもしてこない

気味が悪い

俺は肩でぶつかり弾きとばした

奴がハジメテ声を発した

「ウヒヒヒヒ」

それは甲高い笑い声だった

限界だ

俺は倒れてる奴の腹を蹴りまくった

内臓でも破裂したんだろう

口から吐血している

「ウヒヒヒヒ」

まだ笑ってやがる

「なんで笑ってんだよ!」

俺はもう何が起こってるかわからなくなり、笑い声が消えるまで蹴り続けた

そして家に向かい逃げた

奴は追いかけてこない

殺してしまったのか

安堵と罪悪感にさいなまれる

疲れた

足が重い

とりあえず家に帰ったら

シャワーを浴びて

血と汗を流したい

玄関を開けた

「ウヒヒヒヒ、オソイヨ」

なんでだよ・・・

俺は諦めた

その瞬間意識が無くなった

俺が気付いた時にはベッドの上だった

「なんだ、夢か」

ベッドから起き上がると目の前に奴がいらっしゃった

「ウヒヒヒヒ、ユメジャナイヨ」

なんでだよ・・・

これは俺が昨日見た夢だ

そして今日は日曜日

塾講の面接がある

予想通り蒸し暑い

スーツも着た

さぁ腹くくって出かけるか

俺は玄関のドアを開けた

怖い話投稿:ホラーテラー チョリソナルさん  

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