中編5
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R先輩

ピンポンを投稿した者です。

10年くらい前、僕はサークルの合宿に参加しました。しかも、ただの合宿ではなく、

近所のいくつかの大学と合同で行っているもので50人近くも参加した大合宿になり、

僕はいろんな意味でテンションが上がっていました。

夜は当然、大宴会。果敢に女の子に話しかけるも、、、撃沈。気付くと、6人の男達で

なんとなく飲みながら話していました。その場を取り仕切っていたのはR先輩という

他大学の人で、12時を過ぎた頃からなんとなく怖い話になっていきました。R先輩は

僕達の怖い話の霊がどんなモノかを細かく説明してくれます、R先輩は見える人だった

んです。気付くと夜中の2時すぎ、一通り落ち着いた時に僕はトイレに行きたくなりま

した。1人で行くのが怖いっすと言いたかったけど、さすがにそれは恥ずかしかった

んで1人で行きました。合宿先は県の青年の家なので無駄な電気はついてなく、薄暗い

中、通路を通ってトイレに向かいます。

正直、怖い気持ちでいっぱいです。僕はビビりまくって用を足していました、、、

季節は夏、僕たちは2階に滞在していたためトイレは当然その階にあります。用を

足す僕の目の高さにはちょうど窓があり、その先には夜の闇が広がっています。

窓からこぼれる光でぼんやり見える木の枝に、、、人の顔が見えます。

薄暗くて、はっきりとはしませんが、人の顔であることは間違いありません。

不覚にもうゎっと声を出してしまい、急いで用を足す僕

”見間違いだ、次に見た時にはきっと消えてる”と自分に言い聞かせ、

もう一度外を見ると、、、、顔が2つになっています。   増えてる。

訳が分からず逃げ出す僕、、、トイレを出て部屋に戻る途中、R先輩がこっちに歩いて

きました。僕は今の体験を整理できずにとにかく慌ててるのがバレると恥ずかしいので、

何も告げずにすれ違いました。そして、部屋に帰り落ち着いた僕は皆にその事を伝え

ました。「それ絶対ヤバいよ」、「怖い話は霊を呼ぶって言うしな」、「トイレ行けねぇよ」

口々に言っていると、

「R先輩遅くないか」 と誰かが呟いた。

10分は帰って来てない、、、どうしよう、、ビビりまくってた僕達が意を決してトイレ

に向かおうとしたとき、R先輩が嬉しそうに帰って来ました。そして部屋に入るなり、

「かず(僕の事です)、お前、あれ見たやろ!」

えっ、、、

「木の枝や、あんなんは滅多に見れんで」

そうなんすか、、、

「俺もビビったけどな、はっはっは(笑)、、、えっ、、、、」

突然凍りつく先輩、そして凄みのある声で

「いいか、お前ら、そのまま部屋の入り口を見とけ。絶対に振り向くんじゃねえぞ」

あまりに急な展開について行けない僕らを尻目に素早く部屋の窓に近づくと障子を

ピシャっと閉めました。その瞬間、、、ひゃっ 1人の男が声を出しました。

見たんか?と尋ねる先輩に泣きそうな声ではいと答える男、置き去りにされた

僕らにまあ落ち着けと酒を勧める先輩。

お前ら、飲んだらもう寝ろ。俺が起きててやるけん

はい、、、と頷いて3人が離れて蒲団に入った。先輩、外を見た男、そして僕がその場

に残りました。恐怖心と好奇心、いつもの僕なら絶対に恐怖心が勝ちます。でも、

R先輩の不思議な魅力が僕を突き動かしていました。そんな僕の雰囲気を察したのか

「現状を聞きたいか?」とR先輩は尋ねました

「はい」と答える僕

「日が昇るのを待て、、、とりあえず飲むぞ」

さすがに怖い話はやばいので、先輩の自慢の彼女の話などを聞き、時が経つのを

待ちました。、日が昇り始めた5時過ぎ、「もういいかな、、、」とR先輩は語り始めました。

僕らは怖い話をやりすぎてしまった為、部屋の外にものすごい量の霊が集まってきて

いたそうです。しかし、僕達の部屋にはそれ以上に強いモノがいて部屋の中までは

入ってこれなかったとのこと。窓ガラスの向こうに白いたくさんの手が見えたので、

僕たちを怯えさせないように障子を閉めたそうです。もう1人の男が見たのはガラスの

向こうにある無数の手だったそうです。一通りの説明が終わると、

「証拠がみたい?」と一言

僕たちが頷くのを見て先輩はとても嬉しそうな表情をしました。そして、

「お前の真後ろの壁を見てみな、、、それがすべてだ」

なんの変わりのない壁、、、ではありませんでした。

よく見ると壁一面に凄い表情で窓の外を睨み付ける女の人の横顔が、、、

目、口、鼻、髪の毛まではっきりと分かります。

余りの衝撃に声が出せない僕達、

「壁の右上を見てごらん、今のかずよしなら見えるよ」

ぼんやりとした薄暗い天井の角に何かが見えます。

「空気を見るような感じで見てごらん、何かの形に見えないかい?」

だんだん鮮明になってくる輪郭、、、スカートを履いた足が見えました。

異常なのは、、、天井から下半身だけが出ている事です。

そのことを伝えると、R先輩はとても嬉しそうに僕の手を握ってきました。

そして最高の笑顔で、、、

「かず、お前は俺が鍛えてやるよ!」

後日談。R先輩が言うには窓の外の手を見たもう1人の男はその時に何かを連れて

帰ってしまったそうです。事実、1ヶ月後、その男の愛車のレビンが事故で廃車。

さらに新しく買ったレビンはまた半年後に一回転するほどの大事故を起こして廃車に

なりました。奇跡的に無傷で助かった彼は今では幸せな家庭を築いています。

そして僕は、、、

そんなこんだで仲良くなったR先輩。○○峠や○○ダムに連れて行ってもらおうとした

矢先、R先輩の自慢の彼女に言い寄られて、ちょっといい感じになってしまい、、、

人生初の泥沼を経験しました。ある意味、これが一番怖かった、、、

それ以来、R先輩には会っていません。というか、会えません。

怖い話投稿:ホラーテラー kazuyoshi2006さん  

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