短編1
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お爺ちゃん

祖父が寝室に下がってしばらくすると、それは始まる。

「£†々ゞ〆☆!!!」

何を言っているか聞き取れないが、家中に響く怒鳴り声だ。

時にはドスドスと動き回る音もする。

これが一定の間隔を開けて一晩中続くのだ。

今思えば祖父は夢遊病だった。

原因は分からない。

私が物心付いた時から亡くなるまで、ずっとそういう人だった。

入院した時は必ず個室にしてもらい、時には病院の判断で手足をベッドに縛り付けるほどひどかった。

「お爺ちゃん今日の寝言激しいねー」

宿題をしながら言うと、

「いい夢見てるんでしょ」

母が返す。

今思えば、寝ボケで済ます家族が一番怖い…。

怖い話投稿:ホラーテラー インカローズさん  

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