中編6
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金縛り(経験談)

今から十年程前の話。私が18歳〜23歳の数年間だけ、金縛りによく遇ったのだが、決まって何か現われたり、変な現象が起きたりした。

この場で全てご紹介したい。長文になるが、お付き合い頂ければ嬉しい。

*死神遭遇

高校時代、サッカー部に入っていた私は猛練習が続いていたせいか、ひどく疲れていた。夜23:30頃には就寝。

何時間経ったろう。それほど経ってないと思うが・・・初めての経験、金縛りが襲ってきた。

(えっ・・・えっ・・・何これ・・・)寝返りもできないし、声も出ない。当時仰向けに寝ていた私は、天井を見つめていた。(しばらくしたら、解けるだろう)そう思ってた矢先の出来事・・・周りの空気が一気に重苦しくなった。

天井に黒装束を纏い、顔が骸骨の死神っぽい奴が大鎌を持っていた。(あ・・・あ・・・)声を出そうにも出せず、目が合ったかなと思った瞬間・・・天井から落ちてきて大鎌で襲ってきた。と、その瞬間金縛りが解けた。

今思うと、父がその当時患った肝硬変で、医師から余命5年以内と死の宣告を母が受けていた。

*右手

高校時代、死神の出来事から金縛りが怖く、なるべく横を向いて寝るようにした。

だが、金縛りに遇った。(結局ダメなんだぁ・・・)と、泣きそうになったが、上を見ないように解けるのを待った。しばらくしたら、空気が一気に重苦しくなった。

上を見ないようにしていたら、自分の左手に右手が絡まっていた。一瞬気が付かなかったが、自分の右手の位置が分かった瞬間、(誰のや〜!!)半分キレた状態で右手を払ったら、ドアの方でボタッと音がした。

後で見たら何もなかった。

*天井

大学時代、この時はひどく金縛りを恐れていたと思う。

仰向けに寝ても、横に寝てもダメ。もうどうでもいいやと、その時は仰向けに寝ていた。

やはり金縛りに遇った。また、空気が一気に重苦しくなった。

(今度は何が起きるんだろう・・・)段々怖くなってきた。と、その瞬間・・・天井が迫ってきた。(え・・・そんなんアリ!?)

怖いというより、ビックリした。

*小人登場

大学時代、この時はあまり金縛りだけでは恐れなくなってきた。(慣れって怖いな!!)

この時も仰向けになって寝ていた。また、金縛りに遇った。そして、空気が一気に重苦しくなった。(今度はなんだ!?)と、思った瞬間・・・左側にある窓から小人が登場し、床に下りてきた。4、5人はいたと思う。携帯電話と同じくらいの裸にチョッキを着た・・・多分七人の小人みたいなイメージかな!?私のお腹の上を横切り、右側に消えていった。(人数足らなくないか・・・しかし、全然怖くないな)なんだか、得した気分だった。

今思うと、私が小さい頃親にディズニーランドに連れていってもらった時、七人の小人を恐がっていたそうだ。誰か私を恐がらせようと企んでいるのだろうか・・・。

ちなみに、父も以前住んでいた家で小人に遭遇したことがあったらしい。

*生霊

大学時代、この頃はよく夜更かしをしていた。

夜中の2時過ぎだったと思う。その時は横を向いて寝ていた。と、金縛りに遇った。

その時は部屋のドアが空いていたため、階段のところまで見える状態だった。

いつものように空気が一気に重苦しくなった。

(今度は何が起きるんだろう)その時、一階から誰かが上ってくる足音がした。しかし、聞き覚えのある足音。(親父か・・・いや、今日は夜勤のはずだ)足音が迫ってくる。薄暗い部屋の向こうから、徐々に顔が見えてきた。やはり顔は父であった。(生霊ってやつか、何か伝えにきたのかな!?)と、その時は思った。

父はそのまま私の上に馬乗りの状態にまで迫り、人差し指で私の心臓の位置を強く押した。怖さが最高潮まできた。その時、父がこう言った。「早く寝ろ!!」

金縛りが解け、逆に父の身を心配した私は母を起こし、家族会議を開いた。結局父に確認したが、何もなかった。おそらく、父から最近夜更かししていた私への忠告だったんだろう。

*写真

大学時代、この時も仰向けになって寝ていた。

金縛りに遇って、空気が一気に重苦しくなった。ここまでは以前と同じ。だが、今回は対策を考えていた

私は目を閉じた。何が現われるか気になるが、我慢して金縛りが解けるのを待った。

しかし、それは無意味だった。目蓋の裏側か分からないが、写真が映し出された。集合写真のようである。(なんだこりゃ・・・)見覚えのない集合写真。

と、その瞬間・・・写真の一部がアップし始めた。(ん、なんだなんだ!?)心霊写真だった。

それが、何枚も何枚も。いきなり連続で見せられると精神的におかしくなりそうだった。極め付けが

最後の一枚。

見覚えのある一枚・・・どうやら私の最寄り駅のホームから覗いた線路だった。ずっと続いている線路。誰も人は写っていない。だが、一部がアップされていく・・・線路が途中でズレていた。と、その瞬間金縛りが解けた。

翌日、怖くなり学校を休んで電車には乗らなかった。乗ってたら何か遇ったのだろうか。

*最後の体験

社会人一年目、私は関東出身で生まれも育ちも県から出たことがないのだが、社会人一年目から三年目までは、大阪配属であった。

最初は慣れるまで大変だったが、慣れれば結構楽しく、寮生活なので周りの同僚と飯食いに行ったり、飲みに行ったり、カラオケに行ったりと生活していた。

しばらくは金縛りにも遇わず、不安はなかったのだが、その日は違った。仕事が忙しく、身体もひどく疲れていたのか、その夜金縛りに遇った。この日の体験が私の金縛り史上、最恐の出来事だった。

その時はうつ伏せで顔は横にした状態で寝ていた。疲れていたせいか、スーツのまま上着だけ脱いでベッドに倒れこんだ感じである。そのまま金縛りに遇った。

久しぶりの金縛りであるが、過去の経験から防ぎようがないため、身を任せた。

空気が一気に重苦しくなった。

何か出る・・・そう思った瞬間、玄関に人の気配がした。だが、私は玄関に背を向けている状態なので、何も見えない。だけど、誰かいる。奴は玄関のすぐ右手にあるシステムバスの方に入り、灯りを点けた。誰なんだろう。次第に恐くなってきた。奴は洗面台で蛇口をひねり、水を思いっきり出している。その後顔を洗っている音がした。(泥棒か・・・でもこんな大胆不敵な泥棒がいるだろうか!?)

次の瞬間、灯りはそのままにこっちに迫ってくる気配がした。壁に灯りが当たり、奴の影が少し見えた。男なのか女なのか、というよりも、人なのか幽霊なのかさえ分からない。

その時、金縛りが解けた。(助かった)と思ったが、奴の気配が消えていない。(反則だろ〜、今までは金縛りが解けたら消えるのにな〜!?)と内心思ったが、怖くて起き上がれなかった。取り敢えず、顔を横から下に向けた。

奴の気配が止まった、と思った瞬間、身体が足の方向に引きずられているのに気付いた。しかもどこも触られていない。人間技ではない。これは幽霊だと確信した。その後、ネクタイが引っ張られていた。首が絞められそうになったが、必死で我慢した。

それからどれくらい時間が経ったのか、奴の気配がなくなったので、私は起き上がった。

灯りは付けっ放しになっていて、私の左手には水気が付いていた。どうやら奴のものがしぶきで飛んだんだろう。しかし、奴は何がしたかったんだろう。

翌日、同僚に話をしたらやはりその寮は霊が出るらしい。出てもいいのだが、霊もルールは守ってほしい。触るのもなしだよね。だって怖いじゃない。

その寮は一年目で取り壊されることになり、我々は別の寮へ引っ越しした。

ここまでお付き合い頂いた方には、感謝したい。

同じような体験、現象に遭遇した方はコメントしてほしい。私の仲の良い友達もいくつか同じような体験をしている。

また機会があればこのサイトに載せよう・・・アリガトウ!!

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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