短編2
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すき間 後日談

前回の『すき間』では、息子の言葉にビビって たいした理由も言わずに友人宅から帰ってきてしまったあたしですが、数日後にかかってきた電話で 正直に話してみる事にしました。

『この前急に帰っちゃったけど 体調はもう 大丈夫なの?』

と 友人。

『あ〜…まぁ、大丈夫って言うか…体調が悪かったわけじゃないっつうか〜。

ホント、あの日はごめんね?』

『体調が悪かったんじゃないの?顔色悪かったから、具合が悪いんだと思ってたよ〜。

じゃあなんで急に?』

どうしようか…。

いきなり他人に 『幽霊がいるみたいだよ?』なんて言われたら、やっぱ気を悪くするよね。

あたしが見たわけじゃないから 確実じゃないし。

『ん〜、Y(息子)がさぁ なんか変な事言い出したから、ちょっと…』

『え?変な事って?』

『え〜と…』

なんて言ったらいいのか言葉に詰まっていると、少し間をあけて

『……なんか見た?』

と 友人が言った。

予想外の言葉に、一気に心拍数が跳ね上がった気がした。

『もしかして、なんか知ってんの?』

と聞くと、アレでしょ?と笑いながら 話し始めた。

『半年くらい前にね、けっこう霊感強い友達が遊びに来たのね?

そしたら、なんかいるって言われたんだよね、家に。

で、中に入ったらテレビの後ろの 三角に空いてるスペースに立ってるんだって。

でも ただそこにいるだけで、微動だにしないらしいよ?

悪さもしないんじゃないかって。』

『えー!めちゃくちゃ怖いじゃん!そんなの聞いたらー!』

『大丈夫 大丈夫(笑)だってあたし見えないし。

金縛りにさえ あった事ないんだから。なんにも無いなら、いないのと一緒じゃない?』

『そ…うなんかなぁ〜』

イマイチ納得しかねてるあたしに

『それにさ〜、よく即行引っ越したなんて聞くけど、金なきゃ無理じゃん?

そんな都合よく 金なんてナイナイ(笑)』

なるほどね、確かに。

『大丈夫だから、また遊びにおいでね』

との友人の言葉に、わかったと伝え 電話を切った。

微動だにしない幽霊…。じゃあ息子が見たのは 別人なんだろうか?

でもすき間という共通点がある。

二人いるのか、それとも移動してるのか…。

息子は『出てこようとしてんのかなぁ?』と言っていた。

考えたらゾッとした。

あれから11年、友人は今も元気に そこで暮らしている。

怖い話投稿:ホラーテラー うさぎさん  

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