短編2
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少年の想い 2

しばらく歩いて やっと公園に着いた。

水道を見つけ がぶがぶと水を飲む。

美味い。

それからくずかごからペットボトルを二つ拾い、きれいに洗い水を入れてから ポケットにつっこんだ。

足が痛い…。

ベンチに座りよく見てみると、靴底が剥がれ つま先が少し見えている。

ボロかったからな…。

だけど裸足で歩くわけにいかないんだ。もう少しもってくれ…。

足をさすっているうちに、僕はいつの間にか眠ってしまったらしい。

目が覚めると 辺りはすっかり夕焼け色に染まっていた。

公園の時計を見ると 1時間以上過ぎてしまっていた。

慌てた僕は 急いで公園を出た。

もう 市を通り過ぎた頃なんだろうか?

そのまま歩き続け2時間程過ぎた頃、静かな住宅地に入った。

あちこちからいい匂いが漂ってくる。

カレーが食べたいな…と思いながら、手に持っていたビニール袋の中のパンをチラッと見る。

腹の虫は鳴いているが、まだ食べるのはやめておこう。

限界まで我慢だ。

ひたすら歩いていたが、もう足が痛くて一歩も歩けないと思った時、ある家の自転車に目がいった。

鍵がついている…。

考えるより早く、僕は自転車に乗り 漕ぎ出していた。

ごめんなさい!ごめんなさい!必ず返しますから!

どんな言い訳をしても、僕がした事は盗みだ。

僕は泥棒をしてしまったのだ。

なんだか情けなくって涙が溢れてきた。

そして泣きながら、逃げるように僕は走りつづけた。

住宅街を抜けると山道に差し掛かり、上り坂を延々と登る。

すでに体は疲れ果て悲鳴をあげていたが、明かりの一つもないこの場所では 恐ろしくて休む事もできない。

自転車を押しつづけて行くと、山道を登りきった所に外灯と電話ボックスがあった。

助かった…。

外灯に近づくと、視界が開けた事に気づいた。

木々のすき間から覗くと、下に街の明かりが広がっているのが見えた。

もう少しだ!明日には弟に会えるだろう。

僕は電話ボックスに入ると、倒れこむように眠った。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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