短編2
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Hさんの心霊体験

去年、G県の工場で働いていた時に、深夜の踏切を横切る足だけの幽霊を見てしまった。

同僚に話したら、ちょっとした騒ぎに…なんせ工場のすぐ近く。

そんな中、Hさんが「○○さん(私)、見える人なんですか?」と聞いてきた。

因みにこのHさん、天然ボケのKYで、この小さな会社にいるKYな人3人衆の一人。

製造の仕事に就いてる人は知っていると思うが、「危険予知トレーニング」を略してKYTという。

奇しくも、その工場の3大KYの名前のイニシャルがK、Y、T(Hさんの名前のイニシャル)で、その工場ではKYT=この3人。

危険予知トレーニングではなく、「空気が読めないトリオ」と称されていた。

余談はさておき…私は小さい頃から心霊体験は豊富だったので、Hさんの質問に「見えるとは限らないけど、体験は結構ありますね」と答えた。

するとHさんは、「僕も幽霊、見たことあるんですよ」と話し出した。

Hさんの高校は上下関係が厳しかった。

先輩の命令には絶対服従。

ある日、先輩の家に遊びに行ったHさんは買い出しを命じられ、同級生の友人一人と一緒に先輩の家を出た。

因みに、その友人は「見える人」。

先輩の家を出たら、おじさんが一人いた。礼儀正しいHさん、こんにちはと挨拶。

すると、友人がHさんの腕をガシッ!と掴み、

「見るな!無視しろ!」

と言って引っ張って行く。

「何だ、どうした?」

理由が解らないHさんが尋ねると、

「先輩の家の一階の部屋に、あのおじさんの遺影があった。あれは生きた人間じゃない、幽霊!」

Hさん、納得。

そのおじさん、買い物から帰った時もいたらしい。

帰ってから先輩の家に入ると、確かにさっき見たおじさんの遺影があった。

「幽霊なんて全然思わなかったんですよ。普通に、おじさんがいるなって思ったんですけどね」

余談だが、これを聞いた同僚達が、

「Hさんは幽霊に対してもKYなんだな」

と言ったので笑ってしまった。

つまらない話で、失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー 元業担さん  

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