短編2
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見えざるチカラ

ここは・・・どこだ?

私は見覚えの無い場所で目覚めた。壁も床も天井も真っ白な部屋。

「やっとお目覚めかい?」

目の前に立っていたのは私の上司だった。

「良かった、土留(どどめ)さん。ここはどこですか?ここまでの記憶がなくて。また飲み過ぎちゃったかな?」

「そんな事はないよ。ここに招待したのは私なんだ。それにここはきみもよく知っている場所さ。立ち上がってよく見てごらん。」

「そうですね、僕ばかり座っているのも失礼だし。ここには椅子も一つしか無いみたいですしね。」

そう言いながら私は立ち上がった。

はずっだったが、手足に力が入らない。

「ハッハッハッ!すまない、今は一人で動けないんだったね。自分の体を見てごらん。」

!手足がない!

痛みもない。血も出ていない。何より傷がない。

状況が飲み込めない。

「一年かかったよ。手足の切断面の傷が癒えるまでね。最も君にとっては眠っているあいだの出来事だがね。」

何を言っているのか解らない。

「それにねぇ、この部屋には椅子などないよ。君が腰掛けているものを見てごらん。」

何処からか屈強な男が二人出て来て私の脇を抱え、持ち上げた。見下ろした私の目に入ってきたのは・・・妻だった。妻が何も着けずに椅子の格好をしていた。

「どうだい?良く出来ているだろう。君の研究のお陰さ。大丈夫死んではいないさ。君なら解るだろう?」

「妻に・・・ツキモノを入れたのか!」

「その通り。中身は人工霊魂。君の妻なのはイレモノだけさ。」

ツキモノ

我々の研究チームで使う人工霊魂の総称だ。

私はある施設の研究員だった。

自分達が研究、開発していたもの。

それは霊体兵器だった。

霊体兵器とは、名の通り霊のエネルギーをシステムに組み込んだ兵器の事で、言うなれば呪いの最新技術の事だ。

その研究の核となるのが、人工霊魂である。

複数の霊体エネルギーを特殊な機器、方法により結合、増幅させる。

その後、抽出、蒸溜、精製等を経て思い通りの霊魂を造る。

これをツキモノと呼んでいた。

「これから君にも実験台になってもらうよ?」

その言葉を聞きながら私の意識は遠のいていった。

怖い話投稿:ホラーテラー 仮面ライアーさん  

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