これは私が小学校二年生の冬のことです。
今より霊感は無かったのですが一般の人よりはあったそうです。
その頃私の父は病気で病院に入院していて、毎週2、3回母と一緒にお見舞いに行っていました。
父の居た病院は結構大きく10階まである病院でした
そしていつものように母と一緒にお見舞いに行き、父の居たのは六階なのでエレベーターで行きました。
私は皆よりも背が小さいためボタンが届きません
なのでいつも
なのでいつも母に押してもらいました。
ある日、十階のランプはついてないのに気づきました。
「おかあさん、なので十階のランプついてないの?」「さぁ?」
と言われました。
しかし気になるので看護師さんに聞きました。
「おねぇさん。なんで十階のランプついてないの?」「あれは滅多に使わない階だからついてないんだよ。」
だから行っちゃダメだよ?
しかし、そこは好奇心旺盛な子供。行ってみたくなりますよね?
後日。母に売店にお茶を買ってきてと頼まれたので買いに行きました…
いつものようにエレベーターに乗り、一階まで行きました。一階と二階はなんとかボタンが押せるので心配はいりませんが問題は帰りです。
どうやって押そうか…
棒を使って?それともジャンプ?
やはり人に頼むしかありませんでした…
しかし…なぜか人がたくさんいるエレベーターに今日に限って人がいないのです…
階段で行こうにも小さい私には体力が無いため辛いのです…
仕方なくエレベーターで行くことにしました。
すると、一人の看護士さんが乗ってきました。
やった!これで六階行けるよぉ!
「あのぉ〜すいません。六階押してもらえますか?」
「………」
「あのぉ〜?」
何回言っても返事がありません…
感じ悪…
そんなことを考えつつエレベーターは動きました。
途中で誰か乗るよね?
しかし。いっこうに止まる気配がありません…
そういえば…この人…何階に行くんだろう?
ボタンを見ると、十階にランプがついていました。
え!?十階!?
少しの恐怖心と冒険心で心臓がドキドキでした…
そして十階。
十階はエレベーターホールだけ灯りがついて、奥は真っ暗でうっすらしかみえませんでした…
すると一緒に乗っていた女の人が歩きだし暗闇に消えていきました。
気になってついていくと…一つの病室に着きました。
しると中で…カチャカチャ…と金属の音がしました…
恐る恐る覗くと、さっきの女の人が血のついたナイフを拭いていました…
なにあれ!?
私は怖くなり、エレベーターホールまで走りました。
しかし、ボタンを押しても動く気配がありません…
「なんで!?どうして!?」私はパニックになり涙が溜まり目が霞んできました。
すると…コツコツ…コツコツ…
後ろから足音が…
きっとさっきの人だ!!!
「逃げなきゃ!」とっさにそう考えて、階段をかけ下りました。
しばらく降りると…女医さんがいました。
その人は父の担当をしている女医さんでした。
「おねえちゃん!!助けて!!」
「どうしたの!?〇〇〇ちゃん!?」
怖くて怖くて女医に泣きつきました。
そしてさっきのことを話しました…
「たぶん〇〇〇ちゃんが見たのは、昔ここで働いてた看護士さんだよ…服が少しの違ったでしょ?」
そう言われれば今の看護士さんと服が違いました。
「あの人誰?」そう聞くと、女医さんは顔を曇らせ、
「さっき見たのは忘れなさい…」そう一言だけ言うと一緒に父と母のいる病室に戻りました…
そして数年後…私は小学校六年生になり霊感もかなり高くなりました…
父はあの後、何回も入退院を繰り返したものの、結局病気が悪化し亡くなりました…
病院を出るとき母と入り口に行くと、前から看護士さんが歩いてきました。
スレ違ったときに女の人が「ご愁傷さまです…」
私は振り返るとそこには、十階の病室にいたあの看護士さんでした…
看護士さんは悲しそうに私の顔を見てそして笑ってました…
あの看護士さんが誰なのか、なぜ十階に居たのか。そしてあの笑顔はなんだったのか…今でもわかりません…
怖い話投稿:ホラーテラー 朔夜さん
作者怖話