短編2
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独り言オヤジ

初めて投稿させて頂きます。幽霊は出てきませんので、あしからず。

私がまだ中学1年の頃ですから、今から丁度20年前の事です。

その時は春休みでしたので暇を持て余していた私は、友人3人とボーリングへ行き、その帰り道に

近所の書店に参考書を買いに寄りました。

書店に入り、どれを買おうか選んでいると、店の外から怒声が聞こえてきました。

内容は良く覚えていないのですが、

「何なんだテメーは!」、「上等だよ!かかって来いや!」、「ぶっ殺してやる!」みたいな事を言っていたと思います。

私は、ヤンキー同士の喧嘩かと思い、あまり関わり合いになりたくなかったので、喧嘩が収まるまで店内に居ようと思いました。

暫らくして、怒声が収まったので参考書を買って、帰ろうと外に出た時、

目の前に自転車に乗った

ボロボロの服を着たホームレスみたいなオヤジが

目をカッと見開き私を凝視していました。

びっくりした私は後ずさりしながら、「あ、すみません。」とつい謝ってしまいました。すると、

そのオヤジは「お前を殺してやるううううう」と雄叫びを上げて自転車を漕いで猛スピードで追って来るではありませんか!!!!

本気で殺されると思った私は必死で自転車を漕いで逃げました。その時私はある事に気付きました。

店内で聞いたヤンキーの喧嘩と思っていた怒声と、今のオヤジの雄叫びが全く同じ声だったのです。

しかも一人が一方的に怒声を発しているだけで、相手の声が全然聞こえなかったのです。つまり、

このオヤジが一人で怒声を発していたのではないかと思った私は、さらに怖くなり、半泣き状態で必死で自転車を漕ぎました。

私が追い掛けられているのを、何人もの人が目撃しているのに、誰も助けてくれませんでした。

信号待ちなど出来ませんから、一般の公道から全く知らない裏路地に入りひたすら進みました。

その間、民家の人々に助けを求めましたが、

不在なのか、または関わり合いになるのを避けてるのか、誰も外に出てきてくれませんでした。

オヤジはかなり脚力があるらしく、気が付けば、俺のすぐ後ろに迫っていました。もうだめだ!!と思った瞬間、

ドン!ガッシャーン!

後ろでもの凄い衝突音がしました。後ろを振り返るとオヤジが勢い良く電柱に衝突し、倒れてました。私はこれ幸いと自転車を全力で漕いで命からがら家へ無事に帰り着いたのでした。その後、そのオヤジがどうなったかは分かりませんが、私にとっては死ぬかと思った出来事でした。

長文、駄文失礼致しましたm(__)m

怖い話投稿:ホラーテラー 歯牙ないオッサンさん  

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