中編3
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創作3(S2)

What the Nick?

N.I.S.本部に到着したニックとビリーをフロスト准将とニーナが出迎える。

「お待ちしておりました、マディソン少佐。ご無事な退院なによりです。」

ニーナは至って真面目な口調でそう言ったが、彼女の本性を知っていたニックから思わず笑いが漏れる。

「ん?ニック、何が可笑しい。」

「……、いや、フロスト准将、実はニーナの本当の喋り口調は………ぐっ!?………。」

「す、すみません!マディソン少佐。ついうっかり銃がホルスターから飛び出してしまって…」

(このくそ…)

そう言いたかったがその後のニーナの反撃が怖かったのでニックは言葉を飲み込んだ。

4人は本部のエレベーターに乗り込み、屋上で待機しているヘリへと向かう。

屋上に出たニック達4人を待っていたのはスカイブルーの機体のCH-62型ヘリ。通称シーホークだ。

「ニック、ビリーから今回の任務の内容は聞いているな?」

「ええ、大丈夫です。」

「頼むぞ。ニック、ビリー…」

「任せてください。」

「バッチリ写真撮りまくってきますよ!」

ニックとビリーはシーホークに乗り込み、機内に用意されていた装備を身に付けた。

その様子を伺っていたパイロットが無線を取る。

「こちらドラゴンフライ、フラッグコマンダーへ、白旗二枚の準備が完了。これより離陸する。」

「フラッグコマンダーからドラゴンフライ。離陸を許可する。目的地は座標AX-305、座標までの距離は550km。」

「ドラゴンフライ、了解。

座標到達までの所要時間は凡そ1時間半。白旗が島に立ったら海上で待機している空母に着艦し、そのまま待機する。以上。」

「フラッグコマンダー了解。」

「ドラゴンフライ、離陸。」

スカイブルーの巨体が大空に浮かび、やがて空に呑まれていく…

ヘリの窓から見える街の景色は次第に小さくなり、辺りは一面海と空に包まれる。

「なぁ、ニック。お前ってホントに凄いよな…」

「何だビリー、唐突に…」

「いや、だってよ…

お前は俺やニーナみたいなSEALメイヘムの隊員じゃねぇのにどんな戦場に行っても生きて帰ってくるだろ?

はっきり言って信じられねぇよ。」

「そうか?俺に言わせればお前やニーナの人間離れした体術や銃器の扱い方の方が信じられんが…」

「ごまかすなよ、ニック。

もう長いことコンビを組んでんだ、本当は何者なのか位は教えてくれよ。」

「………ニック・マディソン少佐。元SEALの隊員だ。」

「たくっ…。」

ビリーは、やれやれといった顔で、ヘリの外の景色に目をやった。

それを見ていたニックが、呟くように言う…

「その内話さなきゃならない時が来る…」

ニックのこの言葉を聞いてか聞かずか、ビリーは相変わらず窓の外を見ていた。

ヘリの高度が徐々に下がり出した。どうやら目的地の近くまで来たようだ。

「フラッグコマンダーへ、こちらドラゴンフライ。座標AX-305に間も無く到着。白旗を島に立てる。」

「フラッグコマンダー了解。

ドラゴンフライへ、辺りには充分警戒せよ。」

「ドラゴンフライ了解。

着陸ポイントを視認、低高度より侵入し、白旗を立てる。」

パイロットはそう言うと、ヘリの高度を一気に下げた。窓の外に広がっていた海と空の景色が一変、島の中央から突き抜けるように海へと走る渓谷が見える。

ヘリはその渓谷の間を縫うように飛行し、やがて島の西側に広がる茂みに着陸した。

「着いたみたいだな…」

「ああ、よっしゃ、行くぜニック!先ずは12kmのウォーキングからだ。」

「そうだな…

少しきついリハビリになりそうだが、行くか…」

ニックとビリーがヘリを降りた。2人の目の前には人の背丈と同じぐらいの高さの草が覆い繁っている。

ビリーの時計に付いている方位計を頼りに、2人は茂みの中に消えていく…

「こちらドラゴンフライ。

1452時、白旗二枚が島に立った。こちらは最寄りで待機している空母に向かう。」

「フラッグコマンダー了解。

ドラゴンフライ、貴機の協力に感謝する。」

ニックとビリーが茂みの中に消えた頃、ヘリは再び空へ戻った…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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