私はほぼ毎日ジョギングをしています。
今日は祭日なのでゆっくり走って来ました。
平日は家の近くを走るんですが休日は実家に車を置き実家の近所を走ります。
コースは毎回同じ。
神社を通り山道を走り池を回ってだいたい2時間ぐらい。
今日も汗を流しながら走り終え実家で一息ついていました。
その時父から聞いた話をします。
私がジョギングコースで走る池の話です。
この池は通称『にごり池』と私達の間では言われています。
本来の名前は分かりません。
父は田んぼを持っているのですが大雨が降った時などはこの池の水を田んぼに流すように杭を外し池の水を調節するそうです。
父の知る限りでは3人の方が亡くなられたと聞きました。
2人は電柱の工事の事故で落ちて。
もう1人は自殺で。
その自殺された方は父がよく知ってる人でした。
60歳を過ぎた体格のいい色黒な近所のおばさんです。
一人暮らしをされてました。
身体の調子が悪くなるとすぐ救急車を呼び歯が痛くなると夜中でも平気で歯医者の本宅の家に押し掛ける。
道の狭い車が入れない場所に家がありタクシーを呼んでは足が痛くて歩けないからとタクシー会社の人に家まで来てもらいおんぶしてタクシーまで連れて行ってもらってたそうです。
ちなみに体重80強。
父は放っておけない性分で様子を見にちょくちょく行っていました。
そのおばさんは父を見ると大きな声で
「りっちゃゃゃ〜〜〜〜〜ん」
(父は律夫)
と言ってました。
ある日にごり池で自殺があった、
と近所中に広がりました。
そのおばさんでした。
理由は私達には分かりません。
おばさんの家には布団がひいてあり枕元には新品の靴が30足置いてありました。
(男物、女物いろいろ)
意味は勿論分かりません。
その年の大雨の降ったある晩父は池の水が気になり杭を外そうか迷って見に行きました。
池の水が増えて父は池の中の小さな階段に足をかけ杭を引っ張ろうとした時
池の中から
「りっちゃゃゃ〜〜〜〜〜ん」
と声が聞こえたそうです。
父はビックリして危うく足を踏み外すところでした。
あれから何年も経ちますが父は今でも池に行くと時々聞こえるみたいです。
怖い話投稿:ホラーテラー じゅりさん
作者怖話