短編2
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雪女2

つづき

おの吉の家の前に、一人の女の人が立っていました。

「雨で、困っておいでじゃろう」

 気だてのいいおの吉は、女の人を家に入れてやりました。

 女の人は、お雪という名でした。

 おの吉とお雪は夫婦になり、かわいい子どもにもめぐまれて、それはそれは幸せでした。

 けれど、ちょっと心配なのは、暑い日ざしをうけると、お雪はフラフラと倒れてしまうのです でも、やさしいおの吉は、そんなお雪をしっかり助けて、なかよくくらしていました。

 そんなある日、はり仕事をしているお雪の横顔を見て、おの吉は、ふっと遠い日のことを思い出したのです。

「のう、お雪。わしは以前に、お前のように美しいおなごを見たことがある。お前とそっくりじゃった。山でふぶきにあっての。そのときじゃ、あれは、たしか雪女」

 する突然、お雪が悲しそうにいいました。

「あなた、とうとう話してしまったのね。あれほど約束したのに」

「どうしたんだ、お雪!」

 お雪の着物は、いつのまにか白くかわっています。

 雪女であるお雪は、あの夜の事を話されてしまったので、もう人間でいる事が出来ないのです。

「あなたの事は、いつまでも忘れません。とても幸せでした。子どもを、お願いしますよでは、さようなら」

 そのとき、戸がバタンと開いて、つめたい風がふきこんできました。

 そして、お雪の姿は消えたのです。

おしまい

怖い話投稿:ホラーテラー 魚群さん  

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