短編1
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エンゼルマーク

寒い季節に怖い話は骨身に染みます。

というわけで、ちょっと一息つけるようなバレンタインに因んだお話を一つ。

そんなんいらん・己は一途な恐怖の探求者だという方々は飛ばして頂ければ幸いです。

私は天使のマークで有名な某菓子メーカーで働いている。

あるとき、新入社員の面接官を担当することになった。

順調に面接が進んでいく中それは起こった。

若く、ハキハキとした青年だった。

何問目かの質問で、我社の宣伝で一番印象深かった物は?と聞いた所、いきなり彼は自信に満ち溢れた表情であの有名なCMソングを歌い始めた。

大きな声で歌い出した事にも驚いたが、それよりも彼の歌声で紡がれるそのメロディーに戦慄を覚えた。

…ライバル会社のCMソング。

面接官一同ア然。

「チョ・コ・レ・イ・ト♪チョ・コ・レ・イ・ト♪チョコレートは………」

彼もそこまで歌って事の事態に気付いたらしく、表情が固まった。

静まり返る室内。

今更引き返せなかったのであろう。彼は考えあぐねた末、こう続けた。

「……モ・リ・ナ・ガ♪」

誠に残念ではあったが、彼は不採用になった。

↑この話は知人から聞いた、過去に実際にあった出来事です。

今でもその会社では語り継がれているとかいないとか。

怖い話投稿:ホラーテラー よけいなおせわさん  

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