短編2
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耳無し芳一

これは私が去年体験した話です。

私は春から働き始める為に適当な安くておんぼろだけどちょっとかわいらしいレトロなアパートを借りて一人暮らしを始めました。

ボロくてすきま風すげーでもカワイイから許す、みたいな馬鹿な思考で最初こそ能天気に暮らしていました。

しかし一月もしないうちに健康そのもので今まで病気ひとつしなかった私の体調が急に悪くなり始め、姉にアパートに何かいるんじゃないか、とかすきま風のせいじゃね、だからもっといいところに住めといったのに!と馬鹿にされまくっていました。

体調が悪くても新入社員だから休んだら人生終わる、と思いながら必死に会社に行き、帰ってきたら倒れるように眠る。そんな生活を繰り返していたある日。

私は夜中に突然目が覚めました。体調が悪くなってから夜中に目が覚めたりすることなどなかったので私は戸惑いました。

起き上がって時計を見ようとすると体が動きませんではありませんか。私は途端にどっと冷や汗をかきながらガチガチと震えました。

そのまま何分たったか、ようやく体が少し動かせるようになり私はホッとして寝返りをうちました。

するといきなり声が聞こえてきたのです。

よくわからないけどそれはお経を呼んでいるような感じでした。と後ろに人の気配がしました。

今振り返ったら連れてかれる

唐突にそう感じ私は振り返ることも目を閉じることもできずそのまま朝を迎えました。

太陽の光が閉めていなかったカーテンの隙間から目に入り私は恐る恐る振り返りました。

後ろにはもうなにもなかったのですがカーペットの色が不自然に変色し、まるで誰か座っていたような染みがついていました。

私は姉に相談し近所の神社にお祓いして貰うことになりました。

そして緊張しながら神社に行くとお坊さんに思いっきりしかめっ面をされて離れの一室に半日閉じこめられました。

わけも聞かされず白い修行するような服に着替えるよう言われ、着替えると全身にお札をペタペタ。そしてこの部屋から出るなって感じでした。

私は姉に一緒にいてくれるよう頼みましたが、怖いからやだで一人で部屋にいることに…。

部屋にいる間ずっとお経を聞かされ続けぐったりとしているところにお坊さんから出てきていいですよ、と言われ戸を開けると誰もいない。

やばいこれは悪霊の罠?!と思い慌てて戸を閉めましたが特に何も変わらず私は待ちぼうけを食らっていました。 続く

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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