短編2
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耳無し芳一2

しばらくするとお坊さんの声がまた聞こえてきて今度は騙されるものかと聞こえないふりを決め込むとお坊さんの声は次第に小さくなり聞こえなくなりました。

私は勝った…と思い大きく息をつくと、いきなり耳元に、ふう…と明らかに私ではない溜め息(吐息?)が生暖かく感じ私は耳を押さえて飛び上がりました。

後ろを向いても誰もおらず私はちょっとべそをかきながら部屋の中をずっとうろうろしていました。

なんとなく戸をちらちらと見ているとやっとお坊さんが入ってきました。

透けていないし本物と確認した私はお坊さんにすがりついてわんわん泣きました。

お坊さんは口をパクパクさせて何か喋っているようでしたが全くなにも聞こえず私はちょっとお坊さんを怪しみだし、警戒していると姉もお坊さんの後ろから寄ってきました。

姉は私の肩を掴むと真面目な顔をしてお坊さんと同様に口をパクパクさせて何か私に向けて喋っているようでした。

ここで私は気づきました。

まさか、と思って姉に預けていた鞄からMDを取り出し最大にして耳に近づけると。

なにも聞こえませんでした…。

私は愕然として床に座りこみもうだめだ…と思いました。

そのあとお坊さんがなにやら壷?水瓶?のような物を運んできて私の頭から水をかけ、ジェスチャーで耳に水を入れるように指示されて耳に水を入れたりとよくわからないことをいっぱいしました。

耳に水を入れた辺りで一瞬聞こえるようになった感じ(お坊さんの唱えてるお経?)がしたんですが、やっぱりだめでした。

私が部屋に閉じこめられている時姉がお坊さんから私の状況を聞いたらしいのですが、私の耳が聞こえなくなったことにパニックになりあまり詳しくは教えてもらえませんでした。

あと余談ですがお坊さんから筆談で教えてもらった私の耳が聞こえなくなった理由は耳無し芳一と同じみたいです。

つまり耳に札を張らなかったからだと。

確かにでこにも後頭部にも貼られてたけど…そんな理由ないぜ、と私は思いましたが。本当のところどうなんでしょうね。

あんまり怖くなくてすんません。以上で耳無し芳一終わりでっす。

質問は可能な限り答えますよん。

あ、仕事は首というか自主退職して今はしがない引きこもりです…呼んでくれてありがとうございました。

では失礼します

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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