『図書室の男の子 4』の続きです。
二人は頭を押さえながら、痛みに涙目になりつつ図書室から出て行きました。
私は呆然としながら二人を眺めていました。
やはり後ろから、声が聞こえてきました。Nです。
「大丈夫!?」
いつもは落ち着いて本について語ってくれる彼も、このときは慌てた様子で私を心配してくれました。
私は安心して、Nに泣き付いてしまいました。
さっきのは、Nくんが助けてくれたの?と尋ねると、Nは一瞬だけ戸惑ったような表情を浮かべてから、そうだよ、と言ってくれました。
私はNに感謝の言葉を伝えました。
Nは、最初に私に勧めてきた本のことだけは、如何なる事柄も教えてくれませんでした。知りたければ良く読んでごらん、とだけしか言ってくれませんでした。
私にはそれが妙に悔しく思えて、図書室に行ける日は必ず毎回、その童話を読むように心がけていました。
Nと知り合って半年程経ったある冬の日の放課後、私は暖房の暖かい空気に包まれた図書室で、いつも通りに本を読みながら、Nの雑学を聞いていました。
Nは突然本についての演説をやめ、いつものように落ち着きながら告げてきました。
続きます
怖い話投稿:ホラーテラー ホラー魂さん
作者怖話