短編2
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心霊スポットツアー⑤

長らくお待たせしてすみません。

この投稿を見た、M男から連絡があり「待った」が掛かりました。

なので投稿が遅れていましたが、M男との話し合いの結果、「今まで通りにあの日の真実を書いてくれ」と、最終的には背中を押してくれました。

それでは心霊スポット⑤を始めます。

M男はT子を畳の上に寝かせました。

尚もT子はグッタリしていて白目をむき、泡をふいていました。

私は正直、助からないかもと思っていました。

それでも他の皆と同じ様に励ましの言葉を掛け続けました。

15分程経って、お坊さんが部屋にやって来ました。

その時、お坊さんは白い装束だけを身につけており袈裟などはつけていませんでした。

坊「今から、この娘さんに取り憑いておる、女の霊を祓う」

そういって祭壇の上の蝋燭を灯し、T子の四隅に塩を盛りました。

坊「お主らも飲みなさい。」と、日本酒みたいな物を私達に配り、正座するよう言われました。

お坊さんはT子の口から出ている泡を拭い、そっと日本酒を飲ませようとしました。

するとT子は

「ゴホッゴホッ」っとむせ返る様に日本酒を吐き出し、一緒に干からびたミミズの様な物も吐きました。

そのミミズの様な物は、私が幼い日に母に見せてもらった自分の臍の緒に見えました。

お坊さんは諦めず、少しずつ日本酒を飲ませます。

そしてお経を読み上げました。

お経が始まるとT子は叫び声を上げながら、激しくのたうちまわりました。

それを見て、Y子とH子は泣きだします。

どの位、お経が続いたでしょうか?

突然、お坊さんは読経をやめ、

「女の怨念が強過ぎて成仏させる事は出来ん。仕方ないが体から追い払い閉じこめる。」

そう言って一旦部屋を出ます。

すぐにお坊さんは戻って来ましたが、手には小さな木箱を持っていました。

「これからこの箱に女を閉じこめる。お主らにそれを見せるのは酷じゃから本堂で待っておれ」

言われるがまま、私達5人は本堂に移動し、待つ事になりました。

その間、誰ひとり口を開きませんでした。

「ギィャー うおぉぉ!あぁぁぁぁ!」とT子の声が響きます。

恐らく3時間程、その叫び声は続き、そしてピタっと止まりました。

皆、息を飲みます。

本堂にお坊さんだけが戻って来ました。

その手には小さな木箱があり、フタをする様な形で「封」と墨で書かれて

いました。

ただその木箱はお坊さんの手の中で カタカタと音を立てて揺れていました。

心霊スポットツアー【完結】に続く

怖い話投稿:ホラーテラー 現役探偵さん  

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