中編3
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バイト

2日程前に「死んだはずが」を投稿した者です。

葬儀屋のバイトは1年程やって辞めました。

仕事自体はそんなに大変ではなかったのですが、やはり精神的にくるものがありまして…

簡単に説明しますと

恐怖の警察病院。

読んで字の如く、警察病院から電話依頼が入りますと、

「あ〜〜〜」

と、ため息が出ます。

電車の轢死体。

風呂で煮立った方。

ミイラ化したおじぃちゃん。

都市伝説的に死体洗い等ありますが、目じゃないですよ、多分。

一番きつかったのは、小さな子供が亡くなった時。

聞いたこと無いような叫び声を上げて泣く母親。ホントに切なく、辛い瞬間です。

立派な仕事ですが、自分には少し勤まりませんでしたね。

葬儀屋バイトを辞めまして、しばらく心と身体をリフレッシュした後、そろそろ仕事しなくては。

次の仕事は夢の有るのが良いな〜。と、バイト情報誌見ます。そこに興味深いお仕事が!

遺跡発掘

「探究心の血が騒ぐ!!」

もう一目惚れでした。夢もありそう。迷わず電話しましたよ。翌日には面接して即採用。

ただ気になるのが発掘現場、何か知らんが東京都内の某路線の某駅の真下。

そんな所で何が発掘されんのよ?と気になりつつ現場へ到着。

そこは真夏なのに四方に壁を作り、横からも上からも部外者からは覗かれ無いようになっています。

現場は2メートル程掘り下げてあり、下にはマングローブの根っこ?のような物が入り組んでる。

何?これな〜に?と梯子を降りていくと。

狭い面積に足の踏み場も無いくらいに何十体という人骨が折り重なってました。 しばらく呆然と立ち尽くしてしまいました。

東京には江戸時代にあった有名な二大処刑場が有るらしく、

「鈴が森」と「小塚原」

という名称だそうで、僕が世話になったのは「小塚原」の方でした。

葬儀屋のバイト辞めて、人の死というものから離れて夢のある仕事を。と思っていたのに…

まぁこれも何かの縁かな〜と、諦めて頑張って掘り起こさせて頂きましたよ。竹串で、爪楊枝で。

その時にあった少し不思議な話し。

発掘作業は一人一体、又は、折り重なってる山を何人かで任されて掘り起こすのですが、僕はある一体を任されて掘り起こしてたんです。

現場には早稲田大学の教授がたまに来て監修していたのですが、僕が掘り起こした遺骨を見て、

「う〜ん、これは珍しいね、女性の遺骨ですよ。骨盤を見れば解るんです」と言いました。

確かに、他の遺骨と骨盤の形が違います。産道の部分に大きな穴が空いてるのです。

そこで少々不謹慎ではあるのですが、綺麗に仰向けに寝て、膝をくの字に揃えて曲げている遺骨に、寄り添うように寝て記念の写メを撮ったんです。すると、その写メの僕の身体が黄金色に光ってるんです。

先程も書きましたが四方が壁に囲まれていて、あまり強い光りが入ってくる環境では無いはずです。

大学の教授は女性が掘り起こされて喜んでるのかもね。なんて冗談を言ってましたが。

その処刑場、実際に処刑された人間の数より行き倒れ、身元不明などの数の方が多いとのこと。

僕が掘り起こした女性は罪人?何か事情があって行き倒れ?若い?年寄り?どんな性格だったのだろう?と頭蓋骨を見ながら考えてしまいました。

8年前の話しだけど、少しロマンがあったかな。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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