中編6
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指切り3

指切り2の続きです

部屋での生活が始まった訳だが、異変は初日の夜から起こった…

……ガタッ………

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

急に部屋の襖が強烈に揺れ出した

ガタガタガタガタガタガタガタ…

俺達は三人で身を寄せ合って耳を塞ぎ震えていた……

1時間……2時間…いつの間にか襖のガタガタは止まっていた

A「はぁ…、おい大丈夫か?」

俺「超怖ぇーよ!」

B「誰かトイレ一緒に行こ…」

中学生だったが、怖すぎて一人じゃトイレも行けなかった…

用をたして、また布団に入る…

本当に一人じゃなくて良かった…仲間が居なかったらもう頭がおかしくなりそうだ…

次の異変は部屋の中で起こった

シュッ!……シュッ、シュッ…

……シュッ……シュッ…シュッ…

長い鉄の棒を振り回している様な

いや、もっと鋭利な物……

そう、例えるなら刀……日本刀を振り回している様な風切り音が部屋の中に響き渡る……

シュッ、シュッ、シュッ、シュッ

段々、音と音の間隔が狭まってきた……

俺達は布団から跳び起き、また3人で体を寄せ合って、ただ音が止むのをひたすら祈った……

気がつくと、既に辺りは明るくなり朝になっていた

いつの間に寝たのだろうか……、もしくは、あまりの恐怖に気を失ったのかもしれない…

A「キツイな…」

俺「……うん」

B「………」

すっかり意気消沈した俺達の元に明兄さんが朝食を運んできた

明「おはよう、大丈夫か?」

俺達は昨日の夜起こった事を明兄さんに伝えた

明「そうか…、ご飯を食べたらお風呂に入りなさい、気分もさっぱりするし、朝の一番風呂は悪い物を洗い流してくれる」

俺達は明兄さんに言われた通り、風呂に入ったが、この時初めて体の異変に気付いた…

3人の体には刃物で切られた様な傷が体の至る所についていた

これにはさすがに怖くなり、すぐに明兄さんを読んだ…

明「……とにかく、風呂に入れ…話はそれからだ…」

体の傷がヒリヒリするのを我慢して風呂に浸かった…

全くさっぱりしない……

部屋に戻ると、大爺も部屋に来ていた

A「こんな生活いつ終わるの?」

大爺「悪いがもうしばらく辛抱してくれ…」

俺「いつまで?もう家に帰りたいよ…」

既に初日で参っていた……

大爺「それはならん……厳しい事を言うが、この部屋だからその程度で済んでいるんだ……家に帰れば間違いなく死ぬ事になる…。

お前達だけじゃない、一緒に住んでいる家族全員がだ」

大爺が真顔で言うので、想像するだけで怖くなりそれ以上なにも言えなかった…

そんな生活が一週間も続いた…

体についた傷は日に日に増えていき、そして深くなっていった…

俺達はもう限界だった……

朝食を運んでくる明兄さんに泣きついた…

俺「明兄さん…もう嫌だよ、助けてよ……」

A「いつまで続くの……?」

B「もう限界だよ……」

明兄さんは眉間に皺を寄せ、

「すまない……」そう一言残して部屋を出て行った……

きっとAとBも同じ事を考えていただろう……

(俺達はもう駄目だ……)

(このまま死ぬんだ……)

そんな事しか考えられなくなっていた…

しかし、その日の夜に事態は一変した……

音が聞こえない……いつまで経っても襖のガタガタや刀の風切り音が鳴らなかった

(助かった……)

A「おい……、これって助かったのか…?」

俺「マジかよ!?やったな!」

B「……」

Bはもう泣きだしていた……

俺達は抱き合いながら助かった余韻に浸っていた…

そして朝、大爺が食事を持って部屋にやって来た

大爺「どうだ?昨日は何か起こったか…?」

俺「何もないよ!!」

A「助かったんだよね?」

大爺「……ああ、お前達はもう大丈夫だ…」

大爺は暗い顔で言った…

俺「大爺……?」

大爺「いいか?良く聞きなさい…お前達はもう助かった、明が全てを終わらせたんだ……。昨日、明からお前達はもう限界だと話をされてな、……明は自分が全ての呪いを受けると言い出した…。お前達を救う為に自分が身代わりなるとな…明がお前達を助けたんだ」

B「……え?」

俺「大爺…、明兄さんは……?」

大爺「今は病院だ……もう長くないだろう…。お前達も最後に会いに行こう……」

俺達のせいだ……

俺達が弱音を吐き、明兄さんに助けを求めたから…

俺達は大爺に連れられ、明兄さんに会いに行った

病室には言葉を発する事も出来ない位弱った明兄さんが寝ていた

明兄さんは俺達を見ると、震える手で俺達を手招きした。傍に近寄ると、明兄さんはいつもの様に笑顔を見せ、震えた手で俺達の頭をポンっと叩いた…

俺達は涙を堪える事が出来ず、泣きじゃくり明兄さんに抱き着いた

次の日、明兄さんは亡くなった…

葬儀の後、大爺により俺達と親が集められた…親達も全員が泣いて悔やんでいた…

大爺「皆、集まって貰ってすまない……皆は知らない事だが、明は孤児なんだ…。ここに来た頃の明は私にすら本当の自分を見せない子だった…それが、ある日から心の底から笑ってくれる様になった……ヒロ(俺)、お前達が遊びに来る様になってからだ。明は家族の温かさを知らずに育った…、明はお前達が弟の様だといつも嬉しそうに話しておったぞ…。

私は嬉しい……血の繋がりがなくても私の息子がこれだけの人達に愛されている事が私は本当に嬉しい……どうか、明を忘れないでやってほしい…」

もう全員が声をあげて泣いていた

B「俺…、親父を殺してくる……あいつのせいで明兄さんは死んだんだ!!あいつは……絶対に許さない」

Bの目は本気だった…、あの日のB父と同じ憎しみに満ちた目をしていた…

そんなBの前に大爺が座った

大爺「お前が仕返しをしなくてもあんな事をした者には必ず罰が下る……お前は明から貰った人生を無駄にするのか?」

Bはガックリと崩れ落ち大声で泣き出した…

大爺が言った通り、B父はそれから一月程で亡くなった……

この事件の後、体調が一気に悪くなったらしい

Bは母親の希望で一人暮しを止め引っ越し、転校をした…

俺とAはそのまま、同じ中学校、高校を卒業し、それぞれ社会人になった…

なかなか3人で会う機会がなかったが、偶然3人の都合が合う日が一日だけあり、俺達は明兄さんのあの寺に久しぶりに遊びに行く事にした

俺が寺に着くと、既にAとB、そして大爺が待っていた…

A「おう!ヒロ」

B「……ヒロ」

Aとは何回か会っていたが、Bとは本当に久しぶりの再会だったがBの変わり果てた姿にビックリした…。

髪は薄くなり白髪混じり、俺達と同じ20代なのに、かなり老けている印象だった

大爺「お前達も立派な大人になったな…、明も喜んでいるだろう」

Bが突然泣き出し、話し始めた…

B「俺の今までの人生は地獄だった……家じゃ母さんしか味方は居なかった…親父色に染まった兄貴達にはずっと虐められ続けた……家に俺の居場所はなかった…

学校や会社にも馴染めなくて……家に引きこもった時もあった…。惨めで、悔しくて、本当に辛かった…それでも、大爺が言った通り俺の命は明兄さんに貰った命だから、そして、同じ事に合ったヒロやAが一生懸命生きているから…それだけを支えに今まで生きてきたんだ…。ヒロ、A…頼む!俺とずっと友達でいてくれ……

俺を見捨てないでくれ……」

俺達も涙が溢れた…

俺とAはずっと同じ学校で、他の友達も沢山いた…

そんな裏でBはこんなに苦労をしてきたのか……

A「俺達はいつまでも友達に決まってんだろ!!」

俺「当たり前だ……」

俺達はこの日、明兄さんの墓前に明兄さんの分まで強く生きる事、そして、俺達3人の関係はずっと壊れない事を誓った……

もうすぐ……

明兄さんが亡くなってから十四度目の春が来る……

最初の段階で気付いた方も居た様ですが、全て俺(猛壮)の妄想でございます……

実はこの話には「その後」というパターンもあったのですが、あまりにもダークで後味が悪かったのでこうゆう形で終わりました…

文才がなく、話がありきたりになったり、流れが不自然になってしまい読みにくかった方々は、本当にすいませんでした

もう少し勉強したいと思います

妄想癖の変態の長文をここまで読んで頂きまして、ありがとうございました

怖い話投稿:ホラーテラー 猛壮さん  

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