短編2
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格闘

俺が社会に出て、初めて一人暮らしをしたときの事…

いつもの様に仕事を終え、夕飯を済ましテレビを観ながらくつろいでいたら、突然部屋の電気が点滅しだした。

なあんだ?電球切れたか?と思っていると、今度はテレビが砂嵐に…

俺が恐怖に包まれたまさにその時!

部屋の明かりはすっかり消えてしまい、更なる恐怖が全身を包んだ。

暫くの間、恐怖に苛まれ身動きできずにいた。

徐々に目が暗闇に慣れていくと、微かな月明かりが部屋を照らした!

それと同時に、窓際に立つ黒い人影が見えた…

それは、徐々に俺に近づいてくる…

そして目の前にそれが来たとき俺は見てしまった!

髪が半分以上抜け落ち、鋭い眼差しでこちらを睨んでたソイツは、ゆっくりと俺の首へ手を伸ばしてくる…

ヤバイ!殺される!

そう直感した俺は、ソイツの腕を振り払おうと必死に自分の腕を振るった!

すると…

「ボコッ!」

なんと、無駄な抵抗に思われた俺の手がソイツの腕を直撃!

咄嗟に俺の頭は「コイツ殴れる!」とある意味、理解不能な 回答を出した!

そして「ヤられる前にヤったれ!」と奇妙な思考まで出だした!

それからは無我夢中で、パンチやらキックを繰り出した!

ソイツは動きが鈍いのか、俺の攻撃を全て受け床に倒れ込んだ…

しかし、すぐさま立ち上がってきたので俺は「まだやるか?コノヤロウ!」と震える声でソイツに言い放つと、ソイツは「チッ!」と言いながら窓の方へ移動し、そのまま消えていった!

それと同時に、部屋の電気は点きテレビも何事もなかったかのようにニュースがやっていた…

俺は「勝った…」と思いながらも、腰が抜けてしまい、全身汗まみれになっていた…

その夜以降、ソイツが出ることは二度と無かった…

あれは一体何だったんだろう…と、今でも不思議でなりません…

読んでくれてありがとう。

怖い話投稿:ホラーテラー エアコンさん  

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