中編7
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何が原因?

けっこう長い文章です。つまんなかったらゴメンなさい。

A君は朝7時半頃にコンビニに買い物に行くのが日課になっていました。

タバコ&サンドイッチ&牛乳、時々スポーツ新聞など…

ある朝いつものようにコンビニに向かうと、入り口付近に初老の女性が立っていました。

「あの…火を貸してくださらない…」

女性がA君に話しかけてきましたが、A君は財布しか持ってきてなかった為に

「すみません、持って無いです」と答えました。

女性は「そうですか…」と寂しそうに答えて俯いていました。

A君が買い物を終え店から出ると、女性の姿は無くなっていました。

次の日の朝コンビニに行くと、また昨日の女性が立っていました。

会話は昨日と全く同じパターンでした。

「あの…火を貸してくださらない…」「すみません、持って無いです」「そうですか…」

そして店から出ると居なくなっていました。

昨日は何も感じなかったA君だが、2日連続での出来事にキョトンとしていました。

そして次の日も…昨日一昨日と全く同じパターンでした…

A君は『何だ?あのオバサン…?』と思いましたが

女性の見た目は普通だし(ホームレスとかではなく)小綺麗な格好だし

『もしかして痴呆症なのかも…』と思うぐらいで、別に恐怖心等は持ちませんでした。

そして次の日の朝、A君はコンビニに行く時に

『そうだ…ライター持って行ってみるか』と思い

ライター持参でコンビニに向かいました。

案の定、女性が入り口付近に立っており

「あの…火を貸してくださらない…」

A君が「どうぞ」とライターを出し火を点けてあげると女性は「ありがとう」と言い美味そうにタバコを吸い始めました。

A君が買い物を終え店から出ると女性はまだタバコを吸っていました。

「ありがとう」再び礼を言う女性にA君は会釈をして帰りました。

A君は色々と疑問を持ち始めました。

『なんで毎朝あそこにいるんだろう?』

『いつも人に火を借りてるんだろうか?』

『なんでオレが火を持って無いって言うと居なくなっちゃったんだろう?』

結局A君的には『痴呆症or少し頭が病んでる人』との結論が出ました。

『まあキチ●イって訳でも無いし人に危害を加えるとかでもないし』

『明日あたり何か喋ってみるか』等と考えていました。

そして次の日

いつものように立ってる女性は決まり文句のように火を貸してと言ってきました。

A君は「どうぞ」と言いタバコに火を点けてあげると

「よく会いますね。近くにお住まいですか?」と問いかけてみました。

女性は無表情で「いいえ…あなたが私の所に来てくれればいいんだけど…」と答えました。

A君『???…意味不明…やっぱりキチ●イなのかな?』

A君は会話は成り立たないと思って会釈して店内へ…

そして店から出て来ると女性はA君に対して

「あの…今日で最後にしたい…」と呟きました。

A君は『ダメだこりゃ…話にならんわ』と思い再び会釈して通りすぎました。

『それにしても…意味不明な事ばかり口走り無表情…』

『気味悪いけどなあ、車道に飛び出すとか奇行に出なけりゃいいけど…』

一瞬そんな事が頭を過りA君が振り返ってみると女性の姿は消えていました。

『!?!?』

女性の前を通りすぎてから振り返るまでの間は僅か5秒程度…

『!?!?』混乱するA君…

『店の中に入ったのかな?』と思い店内を覗きに行くが女性の姿はありませんでした。

ふと女性の立っていた店頭脇の灰皿の辺りを見るとライターが落ちていました。

ごく普通の百円ライターでした。

A君は『何が起きたんだろう?オバサンは消えたのか?さっきライターなんか落ちてたっけ?』と頭を悩ませましたが

そのコンビニはマンションの一階部分がコンビニ店舗になっている事もあり

『俺が振り返る前にマンションの通用口まで歩いて行ったのかな?』

と、自分を納得させて落ちていたライターを拾い帰宅しました。

もし女性のライターだとしたら明日返せば良いと思っていました。

帰宅したA君は既に先ほどの事は気になって無いようで

買ってきたコーヒー牛乳、パン等を食べながらスポーツ新聞を読んでいました。

その時、テーブルの上に置いてあった先ほど拾った百円ライターがひとりでに着火されました。

A君はビックリしましたが、幸い目の前にあった為すぐさまライターを掴み取ると火は消えました。

ごく普通の百円ライター…当たり前ですが、構造的には石を擦りガスを出さなければ火は点く訳ありません。

A君は先ほどの女性の一件もあり、『何か異常な事が起きている…』と感じるようになりました。

その日も朝から大学の講義に出るつもりでしたが、そんな気分も無くなってしまいました。

またライターが自然着火するかもしれませんし、部屋に置いておくのも持ち歩くのも嫌でした。

とりあえずA君はマグカップに塩水を作りライターを沈めると、朝早くに悪いなと思いましたが友人のB君に電話を入れました。

ここ数日間の話を聞いたB君は「どう考えてもおかしいだろ!なんでもっと早く話さなかったんだよ!」と興奮気味でした。

B君は「とにかくそこを動くな!すぐに行くから!」と言い電話を終えると、二十分後ぐらいに部屋に来てくれました。

B君は、タッパー(お惣菜とか漬物とかを入れるような入れ物)を持ってきてくれました。

塩水とライターをタッパーに移し替えると「神社に行って相談してみよう」と言いました。

時間的にも、そろそろ九時近くなってきていたため近所の神社を訪ねてみました。

神社に到着して神主さんに事の次第を話すと、お祓いをしてくれて御守りを頂きました。

念のためにB君も同じようにしてもらいました。

そしてライターは神社で引き取ってくれる事になり

神主さんは「もう大丈夫です。安心して下さい。」と言いました。

ひと安心しました。

A君はB君に対し感謝の気持ちで一杯です。

お礼の意を込めてファミレスで食事を奢り、それぞれの家へ帰りました。

結局その日は学校には行かず休養する事にしました。

夕方B君から電話がありました「大丈夫か?特に変わった事は無いか?」

A君が「大丈夫、特に異常は無いよ」と答えるとB君も安心した様子でした。

そして次の日の朝、A君はコンビニに行こうかどうか迷いましたが

今後の不安を取り除く為にも『行ってみよう。神主さんの言葉を信じよう』と思いコンビニに出向きました。

恐る恐るコンビニに近付いてみると入り口付近には誰も立っていません。

灰皿のあたりを見てもライターが落ちてる様子もありませんでした。

安心したA君が買い物を済ませ店の外にでた瞬間に声が聞こえました。

か細い女性の声で「…どうして…あたしたち親子…」

A君は『間違いない!あの女の声だ!』と確信しましたが辺りを見渡しても女性の姿はありません。

A君は女性の「親子」と言う言葉が気になり

『まさか…俺がお祓いを受け御守りを持っていて近付けない腹いせに俺の母に…?』

嫌な予感がしたA君は実家に電話をかけました。

実家の母は早朝の電話に驚いていましたが元気そうな様子でした。

A君が一連の出来事を説明し今現在の女の言葉を伝えると、しばらく黙りこんでから静かに話し始めました。

母の話によると、A君が産まれる一年ほど前に母は車で人身事故を起こしているとの事でした。

コンビニの店先から発進してきたオートバイに乗った青年と衝突事故を起こしてしまい、青年は亡くなってしまいました。

その青年の母親もノイローゼ気味になり、後を追うように他界してしまいました。

母が車の免許を持っていた事さえ知らなかったA君は驚きました。

『いらぬ心配をかけないほうが良いと思ってたんだろうな…』

A君は母に「今から来られるか?頼むから来てくれ!」と言うと

母は「わかったよ…お前の顔も見たいしね…」と、すぐに身支度をして出発する事になりました。

母とは最寄りの駅で待ち合わせる事になっており、そこから昨日の神社に行くつもりでした。

11時過ぎに落ち合い神社に向かい、昨日の神主さんに状況を説明しました。

神主さんは母にも昨日と同様のお祓いをして御守りを渡しました。

神主さんが母に『亡くなった親子の墓参りをしてるのか』と問うと

母は「若い頃は頻繁に行っておりましたが、年とともに回数が減り…ここ数年は疎かになっておりました」

との返事をすると神主さんに「もう解決法はお解りでしょう。時々、息子さんと一緒にお参りしてあげなさい」

「そうすれば親子ともども大丈夫です」と言われました。

神主さんにお礼を言い帰路に着く間

A君親子は神妙な気持ちでした。

相談した結果、母は一晩A君の所に泊まり

翌日、親子で実家近くにあるお墓へお参りする事になりました。

B君にも連絡し今日の出来事を話したところ、「お前を連れて行こうとしてた訳では無くて、寂しかっただけなのかな?」と言っていました。

翌朝、母と一緒にコンビニの前を通り過ぎ駅へと向かいましたが、女性の姿も声もありませんでした。

それ以来、機会を見つけては親子でお墓参りに行っています。

A君も母も現在は何事も無く暮らしています。

以上で終わりです。ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー プリンさん  

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