中編3
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天井…

その日、AとBはお店で酒を飲んでいた。二人とも女性にも関わらず、よく飲んだ。

時間を見た二人は、夜の10時をまわっている事に気が付き、「あ〜もう帰らないと〜やばいね〜」という感じで、素晴らしく酔いがまわった状態で帰る事にした。

店を出た二人だったが、ベロベロに酔っているという事から、「ホテルに泊まろうか〜?」という話になった。

二人共、明日の仕事は休みなので、ゆっくりホテルに泊まろうと決めた。

暫く歩くとビジネスホテルに着いた。二人はお互いの身体を支え合うようにホテルに入る。

受付を済ませて、部屋へと向かう。部屋に着いた二人は疲れと酔いでそれぞれのベッドに倒れ込んだ。

A「あぁ〜疲れたねー!」

B「……」

A「B?」

Bは恐ろしい早さで眠りについていた。

A「なんだもう寝たのか!」

友達思いのAは酷く酔っていながらも、布団を被っていないBに布団を被せてあげた。

そしてA自身も電気を消し、布団を被って眠りについた。

二人が眠りについて4時間くらい経った、深夜2時くらいの事。

二つのベッドに挟まれるように置かれているラジオから妙な声が流れ始めた。

ぃ…ぁ…ぅ…ぁ…ぁぁ…ぅぁ…

この妙な声でAが目を覚ました。

ぁ…ぁ…ぃ…ああ…

A「ん〜何よいったい…?何なのよこの声…」

Aはラジオから声が流れている事に気が付き、ラジオに耳を傾けた。

あ…ぅ…ぅ…………た…す……………たす…

Aは怖くなった。ラジオのスイッチは切ってある。にも関わらず、なぜ人間の声が聞こえてくるのか。しかも苦しそうな声だ。

Aがそんな事を考えていると突然声がしなくなった。

A「…?」

部屋が静まり返る…

なんだったのだろうか。Aは怖さと不思議な気持ちでいっぱいだった。

Aは怖かったが、なるべく気にしないようにして、再びベッドに横になった。

しかしすぐにAは起こされる事になった。ラジオから再びあの声が流れ始めたのだ。

Aは「またかよ…」と思い無視する事にした。しかし目だけは開けていた。

声がだんだん大きくなり始める。

ああ…う…たす……け…………あ…たすけ……て

震えが止まらないA。

Aはラジオの方は見ないようにして天井を見ていた。

そして天井を見ていたAだったが、ある事に気が付いた。なんと…天井から長い髪に覆われた、人間の頭部が出て来たのだ…髪の毛で顔はみえない…

A「きゃ!!」

必死で声を抑えるA。

そして頭部が完全に現れた。その瞬間、顔を覆っていた髪が下に垂れ下がった。女の顔が見えた…

A「きゃぁぁーーー!!」

Aの悲鳴にBは跳び起きた。

B「何があったの!?」

A「あ…あれ…」

B「……………きゃーーー!!」

二人に戦慄が走った。

天井から逆さまに現れた女は、苦しそうにこう呟いていた。頭だけを出した姿で………た…たすけ…たすけ…て………と。

ラジオから流れてきた声と同じだった。

女は苦しそうな顔で……た……すけ…て……という言葉を繰り返す。

二人はあまりの怖さに震えた。

しばらくすると女は消え、ラジオの声も消えた。

二人は大泣きした。

そして二人はいつの間にか眠りについていた。

翌朝、二人が夜中の出来事について話しをしながら、ホテルの玄関口に向かうと何やら外が騒がしい事に気が付いた。

警察や、やじ馬でいっぱいだった。

二人は警察に「どうしたのですか?」と聞いた。

…すると警察は答えた…

警察「昨日、このホテルのある部屋で殺人事件が起きたんだよ。

殺されていた女性は絞殺されたみたいなんだ。」

二人は驚いた。

B「何時くらいに殺人が起きたのですか?」

警察「今日午前2時くらいだよ。これ以上は言えないよ。」

午前2時…Aは思い出した。あの女が現れたのがそれくらいの時間だった事を…

あの女は私達に助けを求る為、ラジオを使ったり、部屋に姿を現したのかも知れない。Aはそう思った。

あとから分かった事だが、女が殺害された部屋は、AとBの寝ていた部屋の上の部屋だったという………

怖い話投稿:ホラーテラー 黒猫さん  

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