短編2
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私を狙うモノ②

昔から子孫が繁栄しない家系でした。

そんな中でようやく私が産まれたとかで母は喜んでいましたが私は何かを背負っている様な嫌な感じがしました。

高校から大学時代までは勢いもあってか自分ではねのける力があったのですが、社会人になると前述したとおり車による事故が増えました。職場では学生時代と違い、相手は更に質が悪くなり巧妙に且つ執拗に仕組んできます。

直感で誰の仕業かわかっても会社で権力を握る相手では私の発言は証拠を持ってしか通用しません。

相手から証拠を掴むのは相当の苦労がいります。

そうやって身の潔白を証明しても、私の場合は無傷で済みませんでした。

事情によって転職しても同じような人物と出来事に必ず捕まってしまいます。

そのたびに仕事先に縁がないと家族や友人は心配してくれます。

当然こんな話は普通誰も信じないと思い私は今まで誰にもジンクスの事は話さずに自分で身を守ってきましたが、正直ここにきて限界を感じていました。

そんな私の転機となりつつあるのが、母の友人が母に紹介してくれたお寺です。私も付き添ってお寺でお経というものを初めて読んでいる時に背筋に強烈な寒気がしました。

いつもは背中の表面だけに感じるのですが、それが体内に吸収されるように浸透してソフトボール程の大きさになり冷水のように体内を流れていきます。

最終的には背中と反対の鳩尾から抜け出る感覚です。

それから母が知人に譲り受けた仏壇を家に置きました。

私はお寺での体験があったので何かを期待したのか家でお経を読んでみました。すると仏壇の周りでパキパキッと音が天井や壁から鳴ったかと思うと、二本のうち一本の蝋燭の火柱が異常に高く激しく燃えて私の口からお経を読む老若男女の声が入れ替わりにしました。

自分の声ではない声が自分の口を通してでたのに大変驚きましたが怖いという感覚はなく気がつくと涙が頬を流れていました。(それから5回同じようになり、それ以降はありません)

本当に徐々にゆっくりではありますが、お経を読むとほぼ毎回背筋の寒気が体内に吸収されて鳩尾から排出されるようになり身の危険が起こりにくくなっています。

それから何かがしびれを切らしたのか一度就寝中に影みたいなモノが私の首を絞めてきた事がありました。

息苦しいなかなんとか大声をだすと消えましたが、私は目が覚めて暑苦しかったので窓を開けると、真夜中でしたが正面に位置する家も窓を開けていました。

→③

怖い話投稿:ホラーテラー エリアコードさん  

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