短編1
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おまる

家に帰って来た時、Aさんは決して悲鳴をあげたり、そいつを追い出そうとはしなかった。

部屋には全く見覚えのない、おまるがあった。

そしておまるの前には、そいつがいた。

自らをオマールと名乗るアホがいた。

そいつはおまるの前に座ると、それに顔を突っ込んだ。

しばらく顔を突っ込んだままの時間が流れた。

その間、物音ひとつしないシーンとした空気が漂っていた。

そいつは顔を上げるなりAにこういった。

おまる いいよ!

おまる ナイスだよ!

おまる オマール!!

Aはあきれかえったを通り越して絶望を感じていた。

この場に絶望を感じたのではない。そいつに絶望を感じたのだ。

なぜなら、Aから見てそいつは、もう救いようのない「手遅れ」だったからだ。

Aは「可哀相に」と思った。

とその時、突然そいつがAに向かって走り出し、Aの顔にスプレーをかけた。

Aは眠ってしまった。

目を覚ました時にはそいつはいなかった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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