短編2
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黒い粒

心霊ではありません。

昔公園で子猫を拾いました。

まだ片手に乗るほどの子で、膝に乗せるとそれまで悲壮な声で鳴いていたのがピタリと止み、安心したようにスヤスヤと眠ってしまいました。

ほっとけません(T_T)

反対されるのは分かってたけど家に連れて帰り、自室から出さないように世話をすることにしました。(他の先住猫も居たので)

そんなに小さい子を世話するのは初めてでしたが、幸い食欲はあり、細かく刻んだものなら何でも食べてくれ、

初めは反対していた母も協力的になり数日後にはすっかり元気になりました。

本当に顔も性格も可愛く、頭もよい子で、名前はトラにしました。

ただ気になることが。

拾って来てから外に出したこともないのにトラちゃんの寝床にいつも黒い砂が落ちているのです。

いくら捨てても次の日はまた同じように。

またその黒い砂の大きさが小さいけど全く同じ大きさなのが妙にいやな予感がしたものです。

そして拾ってきて一週間後の朝、いつものように自室に行くと(私が寝るのは別の部屋だった)

喜んでトラは自分のベッドから出てくる。

トラの寝床を見て目を疑いました。

いつもは粒ぞろいの黒い砂なのに、その日はすべて5ミリ程の小さな黒い虫になって、蠢いていたのです。

そう、その粒はたぶんその虫の卵だったのでしょう。

一瞬本気で夢であることを願いました。

トラはいつもの懐こさで寄ってくるけどよく見るとその虫はトラの毛の中では信じられない早さで逃げ隠れる。

トラが高い所から降りる衝撃で二、三匹飛散する。

血を吸って生きてるらしく、ティッシュで潰すと出る血を拭きながら始末する。

さて。

とりあえず虫ごと寝床を捨てて、動物病院から薬を貰い、部屋をバルサンしてことなきを得ましたが、

あれから外猫を室内飼いする時は先に病院連れていく事にしてます。

あの数十匹のうごめく黒い虫は…

未だに脳裏から離れません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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