中編5
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山家の怪

誤字脱字許して。

とある田舎村にA君という中学生がいた。

A君には、特によく遊ぶ、B君、C君という同級生がいた。三人は好奇心旺盛な三人組だ。

ある年の夏休み、A君は、B君、C君と一緒に山を越えてS街へ行き、一日泊まって、色々遊ぶという、自転車旅行を提案した。B君もC君も賛成し、村の集会所に集まることにした。

当日、三人は集まった。

A「忘れもんないか~。」

B「ないよ。」

C「俺も。」

B「行こか~。」

S街までは20㎞くらいある。出発して山を越えているとき、暑いんで休憩をとっていたりして、山のふもとについて、後23㎞くらいだろうか。

三人はあまりの暑さに木の下で休んでいた。

しばらくすると、お婆さんが話しかけてきた。

お婆「こんな暑い日にどこに行くんだい。」

A「S街です。」

お婆「こんな暑いのに…、休んでくかい?」

三人「良いんですか?」

ここは関西なので、気前がいいわけだ。

遠慮なく三人はお婆さんについて行った。

お婆「これ食べや。」

三人「ありがとうございます。」

お婆さんにフルーツ杏仁をもらった。(渋っ)

お婆さんの家の付近には、他に家が4件しかない。

三人はお婆さんにお礼を言うと、S街へと向かった。

三人は色々遊んで一日泊まって、お世話になったお婆さんにお土産を買うことにした。

帰り道、お婆さんの家に立ち寄ると、

 ピンポーン

ガラガラ

出てきたのはもちろんお婆さん。

お婆「おやおや昨日の…」

三人「お世話になりました。これどうぞ」

お婆「まあお上がり。」

少しだけと言って三人は上がらしてもらった。茶の間に案内された三人、お婆さんは奥へ行ってしまった。

A「疲れた~。」

C「なんか気持ちわりぃ。」

B「何が?」

C「いや、昨日来た時と、何だか雰囲気が違うんだよな。あのお婆さん。さっきから怪しい笑みを浮かべて…」

A「お婆さんが来たぞ。」

 ススー

襖が開いて、お婆さんが顔を出した。

お婆「これお食べ。」

三人「ありがとうございます。」

C「あの~そろそろお邪魔なんでぇ…」

お婆「いや良いの良いの。もう少し休んでお行き…」

妙な笑みでできる細目が少し気味が悪い。

お婆さんはまた奥へ行った。

C「俺たちを帰らさない気だな。」

B「確かに昨日とは雰囲気が妙に違うよな。」

A「失礼なこと言うなよ。」

B「お前も気持ち悪いんじゃねーかぁ?」

A「まぁ、確かに…。」

C「もう出ようぜ。」

三人は立ち上がった。

廊下を歩く……。

  

  おかしい…。

いくら歩けど玄関にたどり着かない。

それどころかこんなに距離があるはずがない。

とうとう三人は迷ってしまった。

そしてある襖の前に立ち止まった。

B「どうする?」

C「あのお婆さん人間じゃなさそうだ…なぁ。」

A「そうだなぁ。」

C「この中入ってみる?」

A、B「うん。」

Cは目の前にあるふすまを開けた。

………さっきの部屋だ。

B「どういうことだよ!」

A「このまま出れないのかよ。」

三人はどれだけ歩き続けたか。

ふと見慣れない扉があった。

台所だ…。

お婆さんはいない。

妙な寒さに三人は身震いする。

B「Aがお土産買うなんて言うからこうなってん!」

A「こうなるとは思ってないやろが。」

C「静かにしろ!!うわっ、誰か来た。…隠れろっ!!」

三人は台所の奥にある、襖を開けて中に入って隠れた。

お婆さんが入ってきた。

お婆「あいつら、逃げやがって・・・。まあどうせ、ここから出れんやろう。それにしてもあいつら、リンゴパイなんか買って来よって…、めまいがするわ…。」

そうして、お婆さんはどこかへ行ってしまった。

三人が部屋から出ると、お土産のリンゴパイがゴミ箱に捨ててあった。

A「リンゴパイで目眩がするって言ってたなぁ。」

C「うわっ!!」

B「どうした??」

C「れ・・冷蔵庫の中…。」

B「おぇっ。」

A「何これ…。」

冷蔵庫の中には、人の頭が入っていた。骨がところどころ見えている。体の部分が他に入ってたけど、三人は見るまでも無く扉を閉めた。

A「俺らを食う気やったんや…。」

B「マジでそうや。」

C「アイツはリンゴが嫌いなんかなぁ。」

B「そうや!」

三人はヤツにリンゴをぶつけることにした。

それしか方法が浮かばなかった。

リンゴパイのリンゴは比較的、特大サイズだったので、台所にあるおろし金ですりつぶした。

そっちの方が効果が強いと思ったからだ。

まだリンゴに弱いと決まったわけではないが……。

三人が探せど奴は現れない。

むしろそっちの方がいいが、何より、相手を倒すのが先だ。

A「まだかな。」

B「こういう時に限ってなんで出てこんねん。」

C「止まって!」

三人が止まる。

所が足音が続く…。

三人は一か八か物陰に隠れた。

ズィ ズィ ズィ

三人(来たっ!!)

三人は各自持っていたリンゴおろしを僅かだが、投げつけた。

ギャーーーーーーーーァ!!!!!

凄まじいうめき声と一緒に奴の動きは止まったが、逆に巨大化してしまった。

その姿に人間の面影はない。

化け物が正体を現したようだ。

A「何なんだよ!逆にパワーアップしたじゃねぇかよ。」

B「おい、逃げるぞ!!」

C「…。」

B「C!早く!!」

三人は無我夢中で逃げた。

そしてある部屋に入った。

B「Cのせいで逃げ遅れるとこやったやんか。」

C「アイツの後ろに玄関があったんや。」

A「なんで言わへんかったんや!!」

C「ごめん…。恐ろしさで声が出んかった。」

B「もう一回行ってみよう…。」

C「あれ?」

A「どうした?」

C「リンゴや……。」

テーブルの上にボールがある。中には、果物が入っている。リンゴも…。

おろし金は台所に置きっぱなしだ。

仕方なく、手で押しつぶした。リンゴを全部使った。

A「これをかけるぞ。」

B、C「おう。」

何分か、歩いてると、案の定、声が聞こえてきた。 

?「ウギャー…ギャゥ…

段々声がでかくなってきた。

三人(よし!!)

覚悟を決め物陰に隠れた。

?「グア…

B「今だっ!」

Aはリンゴをかけた。

?「ウギャーーーーーァ!!」

三人「今だっ。」

後ろに玄関が見えたので、三人はヤツを追い越して飛び出した。

光が洩れてきた。

A「ふー。」

B「やっと出れた。」

C「おい、逃げるぞ。」

三人は一目散に逃げた。

三人とも帰ってきたときは、高熱で一週間くらい寝込んだそうだ。

その数日後、気になった三人はその家に行ってみると、何も変わりなかったんで、

怖かったが、インターホンを押した。

  ピンポーン

誰も出ない。

ピンポーン

ピンポーン

すると、隣の家からお爺さんが出てきた。

お爺「僕ら、何しに来たん?その家空き家やで。」

三人はあれはなんだったんだろうと思った。

三人はあの化け物はリンゴによって化け物の魔力が弱まって、玄関が出てきたんだろうなと思った。実際は巨大化したんだが…。

帰ろうとして三人が後ろを向いたとき、窓からお婆さんが怪しい笑みを浮かべてこっちを見ていた。

三人は一目散に村に戻った。以来三人はそこに寄っていない。

怖い話投稿:ホラーテラー エナジーさん  

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